発熱・不明熱 :トップ    
監修: 野口善令 名古屋第二赤十字病院
横江正道 名古屋第二赤十字病院 総合内科

概要

症状のポイント: >詳細情報 
  1. 体温の上昇(elevated body temperature)は、その発症メカニズムの違いによって、“高体温” (hyperthermia)と“発熱”(fever)の2つに大別される。なお、疫学的に正常体温を調べた研究として1992年のJAMAの研究がある。この研究では18歳から42歳の正常男女の口腔内体温を測定した結果、朝6時では37.2℃、夜6時では37.7℃が正常の40歳以下の男性の99%上限であった。従って、早朝では37.2℃以上を、夕方では37.7℃以上を発熱と呼んでよいのではないかと結論づけている。
  1. 日本の感染症法では、37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱と定義している。なお、直腸温は口腔温より約0.6℃高いことが知られている。また、高齢者では感染症を起こしても発熱は軽微になる傾向があること、女性では排卵日から月経の日までは、0.6℃ほど基礎体温が高くなることが知られている。
  1. 41.5℃を超える発熱は超高熱(Hyperpyrexia)と呼ばれ、脳出血や重症感染症が原因疾患の鑑別として考慮される。
 
発熱と高体温の鑑別:
  1. ”高体温”は高温環境への暴露や放熱機構の異常に基づいて体温が上昇した状態であるのに対し、発熱は、体温中枢のセットポイントが上昇し、体内の熱産生の増加と末梢血管収縮による放熱機構の抑制により体温を上昇した状態である。“高体温”を来す状態には、熱中症や悪性高熱、悪性症候群、セロトニン症候群などがあり、これらの状態は緊急の対応を必要することが多いため注意を要する。
  1. 発熱と“高体温”の鑑別方法には、抗コリン薬や麻酔薬、抗精神病薬などの薬歴の評価と高温環境への暴露を聞くことが特に大事である。また、熱いと感じ体温が上昇をしているにも係わらず発汗が抑制されている場合には、発汗抑制による”高体温”の状態を想起する。
 
緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 敗血症ショック、肺塞栓、感染性心内膜炎、細菌性髄膜炎などの場合は緊急な対応が必要である。
 
症状治療、診断的治療: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療評価例
  1. 発熱患者をみたときに行う初期検査項目として最低限、CBC、生化学、CRP、尿検査(定性・沈渣)、胸部X線写真、ECGなどを強く推奨する。
  1. 血液培養も推奨する。 エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. 薬剤熱を起こしやすい薬剤には、抗菌薬、抗てんかん薬、循環器薬、H2ブロッカー、NSAIDs、サリチル酸などがある。(薬剤名一覧: エビデンス )
  1. 熱中症や悪性高熱、悪性症候群、セロトニン症候群などの高体温症と、発熱は異なる病態なので注意する。
○ 発熱患者には、スクリーニングとして下記を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

不明熱診断のアルゴリズム
EBウイルス特異的抗体の出現パターンと病期
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、シンチグラフィー・PET検査と骨髄生検について加筆修正を行った


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