低カリウム血症 :トップ    
監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科
柴田茂 帝京大学医学部附属病院 内科

概要

所見のポイント: >詳細情報 
  1. 本コンテンツでは、低カリウム血症を血清カリウム濃度3.5mEq/l以下と定義する。
  1. 低カリウム血症の初期症状は、疲労、筋肉痛、筋力低下である。
  1. 高度の低カリウム血症は、不整脈、横紋筋融解などの原因となり緊急対応が必要である。軽度の低カリウム血症でも、心不全患者、脳卒中患者の予後を悪化させる。
  1. 低カリウム血症の心電図所見は、T波の平坦化ないし陰転化、U波、ST低下である。

血清カリウム検査の適応: >詳細情報 
  1. 自覚症状が乏しいので、だるさや倦怠感、食欲低下、筋力低下や心電図異常が認められる場合、ルーチン検査として実施することが望ましい。
  1. すべての入院患者、利尿薬を服用している患者では検討する。

パニック値緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 血清カリウム濃度が2.5mEq/l以下で、心電図変化が生じている場合、横紋筋融解、筋力低下が呼吸筋に及び呼吸不全が予想される場合は緊急対応が必要である。
  1. 緊急時の対応として、心電図、呼吸状態をモニターし、真の低カリウム血症かを確認した後で、カリウム補充を開始する。
  1. 軽症:経口カリウム補充(20~80mEq/日)が安全である。
  1. 症状のある高度低カリウム血症(血清カリウム濃度<2.5mEq/l):経静脈的にカリウムを補充。メインの輸液剤に希釈し、かつ腎機能に注意して初期投与速度を決定する。投与速度は最大で20mEq/時以下とされている。

原因の評価 >詳細情報 
  1. カリウム欠乏による低カリウム血症なのか、細胞内へのカリウム移動による低カリウム血症なのかを鑑別する。治療法が異なるためである。
  1. 病態解明のためのアルゴリズム:アルゴリズム
  1. 腎機能検査(血清Cr濃度、推算GFR、必要ならば蓄尿によるCcr、GFR測定)
  1. 尿中カリウム排泄量(蓄…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

カリウム補充方法
  1. 緊急時の対応として、心電図、呼吸状態をモニターし、真の低カリウム血症かを確認した後で、カリウム補充を開始する。
  1. 軽症:経口カリウム補充(20~80mEq/日)が安全である。
  1. 症状のある高度低カリウム血症(血清カリウム濃度<2.5mEq/l):経静脈的にカリウムを補充。メインの輸液剤に希釈し、かつ腎機能に注意して初期投与速度を決定する。投与速度は最大で20mEq/以下とされている。
○ 軽症の患者には1)-3)のいずれかを、緊急対応が必要な場合は4)、低リン血症を伴う場合は5)の投与を考慮する。

追加情報ページへのリンク

  • 低カリウム血症に関する詳細情報
  • 低カリウム血症に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • 低カリウム血症に関する画像 (1件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

病態解明のためのアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. Kの投与量の計算ミスに注意する:
  1. 事例:血清カリウム値が2.77mEq/Lに低下した患者に、カリウム補正量を2mEq/kg/dayに増量する予定で、約20mEq/kg/dayの点滴メニュー(注射用水1.7mL 1モルKCL 18.3mL ヘパリン 0.02mL)を作成、6時間後のフォローアップ採血で、血清カリウム値は8.68mEq/Lまで上昇した時点で、オーダーミスに気づいた。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示
  1. やむなく高濃度カリウムの投与を行う際には、中心静脈ルートからの投与を基本とする:
  1. 事例:カリウム補正の経静脈的投与ルートとして、内頚静脈を選択していたが、血栓形成を認め、左右内頚静脈を1週間おきに交換していたが、これができなくなった。やむなく末梢輸液による高濃度カリウム投与を行ったところ、末梢点滴部に皮膚障害を来たした(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示