肝機能異常(胆汁うっ滞) :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
山本 和秀 岡山済生会総合病院 院長

概要

ポイント:
  1. 胆汁うっ滞を来す疾患は、生活習慣病、肝障害、筋障害、膠原病、感染症など多岐にわたる。問診を丁寧にとる。
  1. 胆道系の障害か、肝細胞障害かを評価することが大事である。
 
パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. プロトロンビン時間40%以下の場合:
  1. 急性肝不全や劇症肝炎などの重篤な肝障害で起こる。血漿交換や持続的血液ろ過透析(CHDF)などの対策が必要となる。
  1. 高アンモニア血症の場合:
  1. 急性肝不全や劇症肝炎では、血漿交換やCHDFなどの対策が必要である。慢性肝不全では、ラクツロース浣腸や分岐鎖アミノ酸輸液などの処置が必要となる。
 
胆道系・肝細胞障害の鑑別:
  1. 肝逸脱酵素(AST、ALT)は肝細胞障害により上昇し、胆道系酵素(ALP、LAP、γ-GTP)は胆汁うっ滞により上昇する。
 
診断へのアプローチ: >詳細情報 
  1. 胆道系では、胆管結石、腫瘍、薬物性胆囊炎、胆管炎などが大きな理由である。
  1. 肝細胞障害では、脂肪性肝疾患、薬物性肝障害、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害などが頻度の多い疾患である。
  1. 肝細胞障害では可能な限り原因の特定を試みるが、正常値2倍程度の軽度のAST、ALTの上昇の場合で原因を特定できない場合がある。薬物の服用がある場合は薬物の中止あるいは変更を行い、肝機能の経過をみる。エコー検査などで判定できない程度の脂肪性肝疾患では、食事指導(カロリー制限)、節酒、運動指導を行い、1カ月後に値をフォローアップする。
  1. 改善傾向を認めない場合は、鑑別疾患を考え直し、また、肝生検のリスク、ベネフィットを考慮する。
  1. 鑑別疾患: >詳細情報 
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 一連の検査にて確定診断に至らない場合、重症肝炎、劇症肝炎が疑われる場合、閉塞性黄疸を伴い、減黄処置が必要な場合は専門医に紹介する。
 
臨床のポイント:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

肝炎を評価するための検査例
  1. HBs抗原、HCV抗体を評価する。
○ ルーチンの検査である3)~14)に1)2)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

肝機能異常の鑑別のアルゴリズム
黄疸鑑別のアルゴリズム
脂肪肝
脂肪肝のCT所見
閉塞性黄疸のMRCP像
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22