抗癌剤による口内炎の予防と対応 :トップ    
監修: 佐治重衡 福島県立医科大学
長瀬通隆 佐久総合病院 佐久医療センター 腫瘍内科

概要

疾患のポイント:
  1. 化学療法全体の40%程度に、口内炎をはじめとする粘膜障害が発生するといわれている。
  1. 口内炎を起こしやすい薬剤および治療法は非常に多い。とくに、エベロリムスは口内炎の頻度が高く、かつ免疫を抑制するために、真菌などの感染症を併発しやすく、注意が必要である。これらの治療法を用いる場合は、口内炎の発生を想定して予防に努めることが重要である。
 
予防:
  1. 口内炎は予防が重要と考えられる。予防法としては、①口腔内、歯科領域の感染源の除去、②口腔内衛生管理指導(ブラッシング、プラークコントロール)が大切であり、治療前に口腔外科へのコンサルトもしくは歯科衛生士の介入、患者教育が望ましい。
 
診断: >詳細情報 
  1. 口内炎の診断は、自覚的症状および診察に基づく。
  1. 口腔内の粘膜の色調を正確に把握するためには、十分な明るさを持った白色光源を用いる必要がある。
 
口腔粘膜炎重症度評価: >詳細情報 
  1. 口内炎による機能障害の程度で評価するものとして、最も広く用いられているものはCTCAEである。
  1. 疼痛のため食事内容の変更が必要となる程度がGrade2、経口摂取が減少してくるものがGrade3である。
  1. 口腔粘膜炎のCTCAE
  1. Grade1 症状がない, または軽度の症状がある;治療を要さない
  1. Grade2 中等度の疼痛; 経口摂取に支障がない;食事の変更を要する
  1. Grade3 高度の疼痛; 経口摂取に支障がある
  1. Grade4 生命を脅かす; 緊急処置を要する
  1. Grade5 死亡
 
治療: >詳細情報 
  1. 口内炎発症時は、①食事の工夫、②含嗽薬の使用、③鎮痛薬の使用、④口腔内の清浄必要となってくる。また、氷片による口腔内冷却(cryotherapy)は、口内炎の重症化を低減できる。 エビデンス 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 口内炎発症時は、①食事の工夫、②含嗽薬の使用、③鎮痛薬の使用、④口腔内の清浄必要となってくる。また、氷片による口腔内冷却(cryotherapy)は、口内炎の重症化を低減できる。 エビデンス 
  1. エビデンスレベルの高い治療法は存在しない。さまざまな工夫がなされており、これらを単独であるいは複数試みることで症状の改善を期待することが、臨床の場では用いられている。
○ 痛みに対して1)~3)を、強い粘膜障害を認める場合は4)を、アフタ、限局した口内炎には5)を適宜併用する。
○ 6)は5-FU投与の患者で、重症化の予防効果がある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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2016/05/27