甲状腺癌 乳頭癌 :トップ    
監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ
宮内昭 神甲会隈病院

概要

疾患のポイント:
  1. わが国における甲状腺癌罹患率は徐々に増加しており、国立がん研究センターによると、2015年における甲状腺癌患者数は17,900人、うち男性4,700人、女性13,200人であり、男女比は1:2.8と女性に多く、甲状腺癌による死亡数は1,800人、うち男性600人、女性1,200人と予測されるとのことである。
  1. 参照:2015年のがん罹患数、死亡数予測
  1. 甲状腺癌患者数は、わが国においても欧米においても年々増加している。その主因は、超音波検査やCTスキャンなどの画像検査の普及による無症候性癌の発見によるものであるが、発生率の増加を示唆する報告もある。また、小児期の放射線被曝は、明らかなリスク因子である。
  1. 甲状腺悪性腫瘍の約90%は乳頭癌、約5%が濾胞癌であり、低分化癌、未分化癌、髄様癌、悪性リンパ腫がそれぞれ1~2%である。甲状腺悪性腫瘍は病理組織型によって種々の臨床像が異なり、したがって適切な治療方法も予後も異なるので、治療開始前に病理組織型診断を付けることが必要である。それぞれの腫瘍の特徴を簡潔に示す。
  1. 甲状腺悪性腫瘍の病理組織型別の特徴:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 甲状腺に腫瘤を認めたらまず行うべき検査は、頚部超音波検査と穿刺吸引細胞診である。超音波検査にて腫瘤が良性か悪性かかなりの正確さで判別できる。細胞診の診断成績は病理組織型によって異なり、乳頭癌で95~98%、髄様癌では60~90%である。 エビデンス 
  1. 濾胞癌の診断は困難であり、超音波所見、細胞診所見、血中サイログロブリン値などから濾胞癌の可能性が高い症例を選別する。
  1. 頚部超音波検査:甲状腺:<図表>
 
疾患の除外: >詳細情報 
  1. 甲状腺腫瘤の鑑別診断は、頚部超音波検査と穿刺吸引細胞診で行われ、細胞診にて乳頭癌が否定された場合、乳頭癌の可能性はほぼ否定される。これらの検査で、乳頭癌の95~98%はほぼ確実に診断できる。
  1. 濾胞癌の否定は困難であるので、甲状腺良性結節と診断され…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

甲状腺腫瘍の初診における確定診断のための検査オーダー例
  1. 甲状腺癌と診断されたら、甲状腺被膜外の周囲臓器への浸潤の有無、所属リンパ節転移の有無、遠隔臓器転移の有無を調べ、病期を判定する。 エビデンス 
○ 甲状腺腫瘍の鑑別のために下記の1)2)が必須である。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

甲状腺乳頭癌治療のアルゴリズム
放射性ヨウ素シンチグラフィ
甲状腺悪性腫瘍の病理組織型別の特徴
アメリカ甲状腺学会の甲状腺癌リスク分類改訂版
初期治療に対する反応性によるリスク評価法
頚部超音波検査:甲状腺
頚部超音波:頚部リンパ節
頚部CT
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
  • 内分泌 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ