腎障害と薬剤投与量 :トップ    
監修: 平田純生 熊本大学薬学部 臨床薬理学分野・育薬フロンティアセンター
平田純生 熊本大学薬学部 臨床薬理学分野・育薬フロンティアセンター

概要

腎不全患者での薬剤投与用量の調整方法とその理由:
  1. 尿中活性体排泄率の高い薬物(ジゴキシン、ファモチジン、アシクロビル、ブレガバリン、バンコマイシンなど)の常用量を腎障害患者に投与すると、容易に中毒性副作用が起こる。
  1. 薬物の尿中排泄率が高いほど、また腎機能が低下するほど、1回投与量を減量するか、1回投与量はそのままで投与間隔を延長する必要がある。
 
腎機能に応じた至適薬物投与量を推算:
  1. 腎機能に応じた投与設計は患者の腎機能および薬物の尿中活性体排泄率によって計算可能である。CKD患者の至適投与量を求める方法としてGiusti-Hayton法がある。
  1. Giusti-Hayton法: >詳細情報 
  1. 投与補正係数(R)=1-尿中排泄率×(1-腎不全患者のCCr/120)
(CCr/120の代わりにGFR/100の代入可)
  1. 投与補正係数(R)を用いた投与設計方法には以下のような方法があるが、ほとんどの場合、投与間隔を延長し、コンプライアンス向上につながるよう服薬しやすい用量、服薬しやすいタイミングの用法にすることが推奨される。
  1. 投与間隔を変えずに1回投与量を減量する方法:
  1. 腎不全患者への投与量=常用量×Rに減量
  1. 1回投与量を変えずに投与間隔のみを延長する方法:
  1. 投与間隔=通常投与間隔×1/Rに減量
  1. 尿中活性体排泄率は、日本腎臓病薬物療法学会誌(会員のみ)、または白鷺病院のHPで調べられる。なお、添付文書の「尿中体排泄率」は必ずしも腎機能に応じた投与設計に用いることができないことが多いので要注意(  >詳細情報 )である。
  1. 白鷺病院
 
腎機能の推算法:
  1. 推算には日本腎臓病薬物療法学会HP内のeGFR-CCrの計算が使いやすい。各種の腎機能が推算できるだけでなく体表面積、理想体重も計算可能である。
  1. 血清クレアチニン(Cr)値によるCockcroft-Gaultの式によるCCr推算式: >詳細情報 
  1. 推算CCr(mL/分)={(140-年齢)×体重(kg)}〔×0.85(女性の場合)〕/{72×血清Cr(mg/dL)}

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

薬物の腎排泄過程
薬物の消失経路
腎機能低下にかかわらず通常量投与が可能な薬物とその例外
血清シスタチンCと血清クレアチニン値の反応性
腎機能が低下した患者に投与量・投与間隔の調整をして投与した場合の血中濃度推移
腎不全で問題となる活性代謝物の蓄積
腎不全に伴う分布容積(Vd)の変化(L/kg)
蛋白結合率の変化(低アルブミン血症による影響)
蛋白結合率の変化(尿毒症性物質による影響)
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31


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