横紋筋融解症

著者: 加藤之紀 医療法人EMS 植田救急クリニック

監修: 志賀隆 国際医療福祉大学 医学部救急医学/国際医療福祉大学病院 救急医療部

著者校正/監修レビュー済:2021/01/28

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概要・推奨  

  1. 横紋筋融解とは内因性、外因性を含め種々の原因により筋細胞が障害され、ミオグロビンなどの内容物が体循環に漏出して全身に影響を及ぼす病態である。
  1. 横紋筋融解の診断は血清CKの上昇とミオグロビン尿の検出から行われる。血清CKの横紋筋融解における明確な基準はないが慣習的に正常値の5~10倍が目安とされる。ミオグロビン尿の検出は尿試験紙での潜血反応陽性と沈査での赤血球陰性の解離から簡易的に推定る。しかし血清CK値は発症から遅れて上昇するため評価には注意が必要となる。
  1. 横紋筋融解の合併症として電解質異常、急性腎不全、播種性血管内凝固症候群などが挙げられ、急性腎不全は横紋筋融解の10~65%程度に合併するが、その発症は予後不良因子の1つである。
  1. 横紋筋融解の原因は外傷、薬剤、内分泌疾患、ウイルス感染など多岐にわたるが、インフルエンザウイルスに加えてCOVID-19感染症でも合併が報告されている。
  1. 横紋筋融解症の急性腎不全合併は血清CK値や年齢、発症原因、アシドーシスの程度など多様な因子が影響する。
  1. 横紋筋融解患者には急性腎不全の予防のため発症早期からの細胞外液の大量補液が強く勧められる(推奨度1)。
  1. 横紋筋融解症に対する重炭酸、マンニトール投与の臨床的な効果は現時点では明確には示されていないが、最高CK値>30,000U/Lの重症横紋筋融解症では予後を改善する可能性があり、投与を考慮する(推奨度2)
  1. 横紋筋融解症に対するループ利尿薬のルーチンでの使用は推奨されない(推奨度3)
  1. コンパートメント症候群に対する身体所見、症状の感度は低く、疑わしい場合は筋区画内圧の測定が推奨される(推奨度2)
  1. 横紋筋融解に合併する急性腎不全に対しての早期腎代替療法の有用性は現段階では確立していない
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、一部構成を変更した。

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