横紋筋融解症 :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
加藤之紀 JA広島総合病院 救急・集中治療科

概要

疾患のポイント:
  1. 横紋筋融解症は外的、内的素因によって筋損傷が起こり筋細胞内の物質が体循環に漏出して起こる全身性疾患である。
  1. また、外傷による筋挫滅由来の横紋筋融解はクラッシュ症候群と呼ばれる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断は血清CK値の上昇とミオグロビン尿の検出によってなされる。 エビデンス 
  1. ミオグロビン尿:<図表>
  1. 外傷後からの時間経過と血清CK値の変化:<図表>
 
合併症の評価:
  1. 主な合併症は急性腎不全、電解質異常、播種性血管内凝固症候群(DIC)、コンパートメント症候群が挙げられる。特に急性腎不全の発症は予後不良因子であり、合併した場合の死亡率は30%を超える報告が多い。 エビデンス 
  1. 外傷由来のクラッシュ症候群による横紋筋融解症は、疼痛を伴わないことも多いが、その死亡率や腎不全の発症率はほかの原因よりも高く重症化しやすい( エビデンス )。理学的所見も感度が低く( エビデンス )、経過などから積極的に疑う必要がある。
  1. ピーク血清CK値における腎不全の発生率:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

横紋筋融解症を診断する検査例
  1. 横紋筋融解症の診断は、主に血清CKの上昇とミオグロビン尿の検出によってなされる。
  1. 横紋筋融解症の重症度、腎不全の発症率は血清CKと比例しており、腎不全発症のリスクは血清CKの最高値>5,000U/Lで増加することが示唆されているが、明確な診断の基準値はなく、慣習的に正常値の5~10倍が目安とされている。 エビデンス 
  1. 血清CK上昇は筋損傷から遅れて認められるため、来院時の血液検査で血清CKの上昇を認めないことは横紋筋融解症の否定にはならず、臨床的に疑うときは継時的に繰り返し測定することが必要である。
  1. 外傷後からの時間経過と血清CK値の変化:<図表>
  1. ミオグロビン尿の検出も横紋筋融解症を示唆する所見であるが、ミオグロビンの代謝、排出は腎機能や治療に影響されず排泄するので、血中、尿中ミオグロビンが検出されないことは横紋筋融解症の否定にはならない。 エビデンス 
  1. 迅速にベッドサイドでミオグロビン尿を疑う所見としては、試験紙法で尿潜血が陽性にもかかわらず、尿沈渣で赤血球が認められないことがある。
  1. ミオグロビン尿:<図表>
○ 四肢骨折、コンパートメント症候群、クラッシュ症候群など横紋筋融解症を疑う場合は検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

外傷後からの時間経過と血清CK値の変化
コンパートメント症候群に対する筋膜減張切開術
血清カリウム値と心電図変化
ミオグロビン尿
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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