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著者: 持田智 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

監修: 持田智 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

著者校正/監修レビュー済:2023/05/10
参考ガイドライン:
  1. Mochida S, Takikawa Y, Nakayama N, et al. Diagnostic Criteria of Acute Liver Failure: A Report by the Intractable Hepato-Biliary Diseases Study Group of Japan. Hepatol Res 2011; 41(9): 805-812.
  1. 持田 智,滝川康裕,中山伸朗,他:我が国に おける「急性肝不全」の概念、診断基準の確立: 厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服 研究事業)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班、ワーキンググループ-1、研究報告.肝臓 2011; 52 (6); 393-398.
  1. Sugawara K, Nakayama N, Mochida S. Acute liver failure in Japan: definition, classification, and prediction of the outcome. J Gastroenterol. 2012 Aug;47(8):849-61.
  1. Nakao M, Nakayama N, Uchida Y, et al. Nationwide survey for acute liver failure and late-onset hepatic failure in Japan. J Gastroenterol. 2018 Jun;53(6):752-769.
  1. Nakayama N, Umemura H, Uchida Y, et al. Nationwide survey for patients with acute-on-chronic liver failure occurring between 2017 and 2019 and diagnosed according to proposed Japanese criteria. J Gastroenterol 2021; 56 (12): 1092-1106.
  1. Mochida S, Nakayama N, Terai S, et al. Diagnostic criteria for acute-on-chronic liver failure and related disease conditions in Japan. Hepatol Res. 2022 May;52 (5):417-421.
  1. 持田智,中山伸朗,寺井崇二, et al. わが国におけるacute-on-chronic liver failure (ACLF)とその関連病態の診断基準: 肝臓 2022; 63 (5): 219-223.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 鑑別する疾患として、重要性が増しているacute-on-chronic liver failure(ACLF)とその関連病態に関して、情報を更新した。
  1. 2018年に発表された「わが国におけるACLFの診断基準(案)」では、Child-Pughスコアが5~9点の代償性ないし非代償性肝硬変に、アルコール多飲、感染症、消化管出血、原疾患増悪などの増悪要因が加わって、28日以内に高度の肝機能異常に基づいて、プロトロンビン時間INRが1.5以上ないし同活性が40%以下で、血清総ビリルビン値が5.0 mg/dL以上を示す肝障害は、acute-on-chronic liver failure(ACLF)と診断し、急性肝不全から除外することが示された。
  1. ACLFの関連病態として、プロトロンビン時間ないし血清総ビリルビン値のいずれかの基準のみを満たす場合を拡大例(extended-ACLF)、発症前のChild-Pughスコアが不明の場合を疑診例(probable-ACLF)、この両条件を満たす場合を拡大疑診例(extended/probable-ACLF)と診断する。
  1. 同(案)では、ACLFの重症度を、肝、腎、中枢神経、血液凝固、循環器、呼吸器の臓器機能障害の程度に応じて4段階に分類する。
  1. ACLFの全国調査によって、わが国では肝硬変の成因がアルコール性で、急性増悪要因が大量飲酒の重症型アルコール性肝炎に相当する症例が多いことが明らかになった。また、予後を規定する要因として、ACLF症例の解析では機能障害の見られる臓器数が、関連病態を含めた症例での解析では病型が重要であることが明らかになった(Nakayama N, et al. J Gastroenterol. 2021 Dec;56(12):1092-1106.)。
  1. 上記の全国集計の結果を基に、わが国におけるACLFの診断基準(案)は、関連病態の診断基準も含めて、正式な診断基準とすることが、2022年に決定した(持田智, 他. 肝臓. 2022; 63 (5): 219-223.)。

概要・推奨   

  1. 正常肝ないし肝予備能が正常と考えられる肝に肝障害が生じ、初発症状出現から8週以内に、高度の肝機能障害に基づいてプロトロンビン時間が40%以下ないしはINR値1.5以上を示すものを「急性肝不全」と診断する。
  1. 急性肝不全昏睡型のうち、成因がウイルス性、自己免疫性、薬物アレルギーなどで、肝炎を伴う症例が劇症肝炎に相当し、劇症肝炎は急性肝不全に含まれる疾患単位である。
  1. 肝炎症例では内科的集学的治療を実施して、死亡が予測される場合は肝移植の適応を検討する。成因に対する治療および肝庇護療法は、肝性脳症を発症する前から、可及的速やかに実施する。昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症が出現した場合は、血漿交換とOn-line HDFなどの血液濾過透析による人工肝補助を行う。肝炎以外の症例では、原疾患に対する治療が最も重要である。
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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
持田智 : 講演料(ギリアド・サイエンシズ(株),アッヴィ合同会社,あすか製薬(株),東レ(株),大塚製薬(株),エーザイ(株))[2023年]
監修:持田智 : 講演料(ギリアド・サイエンシズ(株),アッヴィ合同会社,あすか製薬(株),東レ(株),大塚製薬(株),エーザイ(株))[2023年]

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