原発性硬化性胆管炎 :トップ    
監修: 田妻進 広島大学病院 総合内科・総合診療科
中沢貴宏 名古屋第二赤十字病院 消化器内科

概要

疾患のポイント:
  1. 原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis、PSC)とは、原因不明の慢性胆汁うっ滞性の肝疾患で、肝内外胆管のびまん性の炎症と線維化により徐々に胆管狭窄を来し、病態が進行すると胆汁性肝硬変となり、門脈圧亢進や肝不全に至る疾患である。
  1. 原発性硬化性胆管炎は、指定難病であり、①有症状の患者(黄疸、皮膚掻痒、胆管炎、腹水、消化管出血、肝性脳症、胆管癌など)、または②ALPが施設基準上限の2倍以上の患者などは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断基準(<図表>)に沿って診断する。特に、胆管癌、IgG4関連硬化性胆管炎および二次性硬化性胆管炎との鑑別が最も重要である。(胆管像による原発性硬化性胆管炎とIgG4関連硬化性胆管炎の比較:<図表> ) 
  1. 内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)や経皮経肝胆管造影(PTC)による直接胆管造影により、PSCに特徴的とされる胆管像 <図表>を確認する。
  1. ①帯状狭窄(band-like stricture):長さ1~2mmの狭窄<図表>
  1. ②数珠状所見(beaded appearance):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

PSCの診断、経過観察に特に重要な検体検査
  1. 診断時には肝胆道系酵素以外に、IgG4関連硬化性胆管炎との鑑別( エビデンス  エビデンス  アルゴリズム)のためにIgG4を、原発性胆汁性肝硬変との鑑別のために抗ミトコンドリア抗体も測定しておきたい。経過観察時には、肝予備能は常に把握するように努め、胆管癌の合併を念頭に置いて定期的な画像診断とともに腫瘍マーカーを測定することが望まれる。
  1. 診断時:CBC+血液像, T.Bil, ALT, AST, ALP, γ-GTP, IgGサブクラス(IgG4), 抗核抗体, P-ANCA, 抗ミトコンドリア抗体
  1. 経過観察時:CBC+血液像, プロトロンビン時間(PT-INR), T.Bil, ALT, AST, ALP, γ-GTP, Alb, Cre, CRP, CEA, CA19-9

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

PSC診断のアルゴリズム
原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断基準
胆管像による原発性硬化性胆管炎とIgG4関連硬化性胆管炎の比較
原発性硬化性胆管炎(PSC)の予後予測式
Child-Pugh分類
MELD score
PSCに特徴的な胆管像:帯状狭窄(band-like stricture)ERC像
PSCに特徴的な胆管像:数珠状所見(beaded appearance)ERC像
PSCに特徴的な胆管像:剪定状所見(pruned tree appearance)ERC像
PSCに特徴的な胆管像:憩室様突出(diverticulum-like outpouching)ERC像
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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