口腔内びらん :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
谷崎英昭 京都大学 皮膚生命科学講座

概要

症状のポイント:
  1. 口腔内びらんとは、さまざまな原因の結果生じる口腔内粘膜の欠損である。
  1. 健常人にも生じ、ときとして内科的・自己免疫学的な疾患の随伴症状として生じる。
  1. 誘因は多岐にわたる。局所刺激からアレルギー性機序によるものまでを念頭に置いて原因検索に当たる。
  1. 疲労やストレスによる慢性再発性の口腔内びらんでは、随伴症状の有無をチェックすることが重要である。

緊急対応: >詳細情報 
  1. 薬剤摂取歴などあれば、重症化を念頭に置いて入院加療を検討する。
  1. 発熱や倦怠感、下痢などの訴え、摂食不良、低栄養状態、強い腹痛などがあれば、精査を行う。
  1. 同様の症状が周辺地域で流行いている場合、拡大を最小限に食い止めるように、診察、検査時など配慮する。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 口腔内びらんが、局所的原因によるもの・全身的な原因によるもの・原因不明なもののいずれかに該当するかを最初に鑑別する必要がある。
 
診断へのアプローチ:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 口腔内びらんは原因不明のものも少なくなく、原因別・症状別・部位別などを組み合わせて分類を進めることが大事である。
  1. ①発症年齢・時期、②罹患期間、③びらんの面積・個数、④口腔内以外の付随症状、⑤全身状態、⑥治癒傾向・再発頻度、⑦家族歴等を確認する。
  1. ステロイド外用の長期使用時には、二次性の口腔内カンジダの増悪にも留意が必要である。
  1. 必要に応じて採血検査(CBC、抗核抗体、梅毒検査、針反応など)を行い、鑑別をしていく。
 
鑑別疾患:(鑑別疾患のリスト: 鑑別疾患 )
  1. 下記の疾患が頻度が高い疾患、重篤な疾患、まれな治療可能な疾患である。
  1. 鑑別疾患:頻度の高い疾患: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

消化器疾患やベーチェット病、天疱瘡、薬疹の合併を除外する検査例
  1. 随伴症状より予測される鑑別疾患に対して、血液検査を中心にスクリーニングを行う。
○ 他臓器の病変を伴う場合、1),2),3),4)のルーチン検査に追加し、5),6),9),10),12)の検査を追加する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

口腔内びらんの診断アルゴリズム
尋常性天疱瘡患者に生じた口腔内びらん
悪性黒色腫 播種・直接浸潤による上顎部びらん(a)と左頬粘膜部の色素斑(b)
アモキシシリンによるスティーブンス・ジョンソン症候群
単純疱疹初感染に伴った口腔内びらん
B型肝炎患者に伴った口腔内カンジダ症
ベーチェット病の口腔内びらん(a)と歯肉部びらん(b)
手足口病患者に生じた口腔内びらん
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05