痒疹 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
横関博雄 東京医科歯科大学 皮膚科学分野

概要

疾患のポイント:
  1. 痒疹とは、「痒疹丘疹」を主徴とする反応性皮膚疾患である。種々の原因で生じる丘疹、結節、膨疹などを主とし、強い瘙痒感を伴う。
  1. 病勢の推移により急性痒疹、亜急性痒疹、慢性痒疹とに分類される。
  1. 「痒疹丘疹」とは強い痒みを伴う孤立性の丘疹をいう。掻破により頂部にびらんを生じることがあるが、湿疹丘疹とは異なる。原則として集簇しても融合しない。

診断: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 急性痒疹は虫刺され様の蕁麻疹様丘疹が四肢に多数認められることにより、容易に診断できる。
  1. 慢性痒疹では、慢性湿疹の苔癬化した局面と鑑別診断が困難なことが多い。
  1. 多形慢性痒疹は皮内に埋没したような丘疹のことが多く、これらは孤立性ないししばしば集簇・融合し苔癬化を呈する。しかし皮野に拘束されずに丘疹が集簇して形成されるのが特徴である。
  1. KOH法の検鏡、皮膚生検にて、虫刺症、疥癬、類天疱瘡、先天性表皮水疱症、接触皮膚炎などを除外する。
  1. 色素性痒疹は、非常に強い痒みが特徴で、左右対称性に分布する痒疹様の丘疹と網目状の特徴的な色素沈着がみられる。

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 痒疹の重症度分類は慢性痒疹診療ガイドラインでは定めていないが、痒疹丘疹の分布する範囲により分類可能である。
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 慢性痒疹の原因としてアレルギー、生理学的機能異常、胃腸障害、肝腎障害、性ホルモン失調、病巣感染、内臓悪性腫瘍の存在、心身症などがあり、精査の必要がある。
  1. 瘙痒が特に強い例、皮疹が広範囲に及ぶ例、治療に抵抗性である例、きわめて難治で慢性に経過する例では、デルマドロームとして痒疹が出現している可能性を考えて、内分泌疾患、代謝異常症、腎障害、肝・胆道系疾患、血液疾患、内臓悪性腫瘍などの全身性疾患などを検索する必要がある。

治療: >詳細情報  アルゴリズム
  1. まず慢性痒疹の基礎疾患がないか検索し、皮膚刺激の回避などの生活指導が必要となる。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時悪性腫瘍、感染巣の合併を精査
  1. 慢性痒疹は悪性腫瘍、感染巣の合併が認められることがある。スクリーニング検査でその有無を検索。
○ 器質性疾患を明らかにするために、下記の検査を考慮する。検査する場合は、1)を第1選択とする。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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慢性痒疹診療アルゴリズム
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結節性痒疹の典型例
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21