今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 清原隆宏 関西医科大学 総合医療センター皮膚科

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2022/06/23
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 有棘細胞癌診療ガイドライン2020
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 有棘細胞癌診療ガイドライン2020に基づいた切除マージンを記載した。

概要・推奨   

  1. 高齢者に生じる単発性の扁平隆起性局面をみたら、ボーエン病を想起する。
 

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 病因の特定できない表皮内癌を一般にボーエン病という。
  1. 1912年に前癌病変として初めて報告されたが[1]、現在では表皮ケラチノサイトの癌そのものと考えられている。
  1. 亀頭部のボーエン病は紅色肥厚症と呼ばれ、ボーエン病に先んじて1911年に報告された[2]
  1. 60歳以上の高齢者に多く、男女比はほぼ同等である。
  1. 全身皮膚のどこにでも発生し、体幹や四肢に多いが、爪床や爪母に生じることがある。
  1. 露光部では日光、非露光部では砒素の関与が示唆されているが、日光や砒素の関与が明らかな場合はそれぞれボーエン様型日光角化症、砒素角化症・砒素癌などと診断される。
  1. ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus、HPV)の関与を示唆する多くの報告がされており、HPV16、18、31、33、34、53、54、58、61、62、73型などのさまざまなタイプが検出されている[3][4][5]
  1. 疣贅状表皮発育異常症の病変内に生じる場合はHPV3、5、8、10型などの関与がある[6][7]
  1. 爪や指のボーエン病では、HPV16、56が検出されることがある。
問診・診察のポイント  
  1. 通常は単発性である。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
清原隆宏 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(サノフィ(株),日本イーライリリー(株),アッヴィ合同会社,マルホ(株))[2025年]

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