老人性色素斑 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
田中勝 東京女子医科大学 東医療センター皮膚科

概要

疾患のポイント:
  1. 老人性色素斑とは、顔面・手背・前腕など紫外線に曝露する部位に好発する淡褐色で境界明瞭な色素斑である。表皮細胞が光老化して色素細胞を活性化し、過剰なメラニンが産生されることが発生のメカニズムと考えられている。
  1. 実臨床では95%以上の色素斑は老人性色素斑である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 視診・病歴より、炎症後色素沈着、光線性花弁状色素沈着症、肝斑、黒色癜風、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、Riehl黒皮症などの鑑別疾患を除外して診断に至る。
  1. ダーモスコピー検査を行い、色素分布や血管のパターン、鱗屑や潰瘍化の有無を観察することも特に悪性黒子除外のため必要である。
 
治療: >詳細情報 
  1. 老人性色素斑は通常、症状を伴わない。悪性黒子の可能性がなければ治療をしなくても生命予後に影響しないので、治療は患者にリスク・ベネフィットを説明し、同意を得て行う。
  1. レーザー治療、ハイドロキノン外用療法、紫外線防御、メークアップ療法などの加療方法がある。
  1. 老人性色素斑は患者のQOLを大きく低下させることがある。特に、若い人や目立つ部位にある場合は社会的影響を考慮し、積極的な治療を検討する必要がある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 悪性黒色腫は広範囲切除、センチネルリンパ節生検、化学療法を考慮することが必要な疾患であり、皮膚科・形成外科が連携して迅速に治療に当たる。
  1. Riehl黒皮症は近年減少しているが、パッチテストによる原因究明が必須の色素沈着型の接触皮膚炎である。顔面広範囲の色素沈着をみたら必ず鑑別に挙げ、皮膚科に紹介する。
 
臨床のポイント:
  1. 顔面の黒色斑にはメラノーマも含め多彩な皮膚病変があるので、老人性色素斑と短絡しない。
  1. 整容的希望があればレーザー治療を行う。
 
※「臨床のポイント」は監修者による執筆です。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

老人性色素斑の治療方法例
  1. レーザー治療は根治療法である。ただし、一過性の炎症後色素沈着に留意する。
  1. 日常的なサンスクリーン外用により紫外線防御を行う。
  1. 患者の希望に応じてメークアップ療法を紹介する。
○ 老人性色素斑の診断のついた患者に1)をすすめ、治療を希望する場合には2)または3)を選択する。さらに、希望により4)を紹介する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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老人性色素斑:顔面に散在する色素斑
顔面の老人性色素斑
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01