ケロイド、肥厚性瘢痕、術後の傷跡 :トップ    
監修: 戸倉 新樹 浜松医科大学医学部附属病院 皮膚科
小川 令 日本医科大学 形成外科

概要

疾患のポイント:
  1. ケロイドや肥厚性瘢痕は赤く隆起した病的瘢痕であり、炎症が遷延しているものである。
  1. 外傷や熱傷、術後創では、大きい、深い、感染したなど、創傷治癒に時間がかかると病的瘢痕となる。
  1. ケロイドも肥厚性瘢痕も、体質(全身的因子、遺伝因子)と局所因子がその発生、悪化に影響する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 通常、典型的なケロイドと、典型的な肥厚性瘢痕はその外観や病理組織によって鑑別可能である。
  1. 上腕外側のBCG接種部、ピアス穴作成後の耳垂や耳介、前胸部、肩甲部・下顎の毛のう炎後や尋常性座瘡後、下腹部から恥骨上部にかけての産婦人科手術後、もしくは前胸部の胸部外科手術後に生じた赤く隆起する瘢痕は、ケロイド、肥厚性瘢痕の可能性が高い。
  1. ただし、ケロイドと肥厚性瘢痕は中間的病変を呈するものも少なくない。

重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 瘢痕・ケロイド治療研究会が提唱しているグレード分類(JSW Scar Scale)を用い、重症度を判断し、予後を予測する。(グレード分類: >詳細情報 )
 
治療: >詳細情報 
  1. ケロイドは、数や大きさによって、治療方針を検討する。
  1. 通常、手術、放射線治療、外用剤、内服薬、レーザー治療など、種々の治療を組み合わせた集学的治療を行うことが多い。予防、治療に長期間を要することが多いので、患者とよく相談しながら長期間無理なく継続できる治療方針を決定する必要がある。
  1. 肥厚性瘢痕で、関節部や頚部などの可動部位にない場合、副腎皮質ホルモン剤などの外用剤やトラニラストなどの内服薬、シリコーンジェルシートやサージカルテープ、包帯やガーメントなどによる安静・固定・圧迫といった非手術治療をまず行い、効果不十分の場合には手術を検討する。
  1. 肥厚性瘢痕で、可動部位にある場合は、瘢痕拘縮形成術を施行することを考慮する。
  1. 外観が目立つだけの成熟瘢痕は、手術や各種レーザー治療などが可能である。(健康保険が適用にならない場合が多い。)

専門医相談のタイミング: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

大きなケロイド・肥厚性瘢痕に対する内服および外用治療例
  1. 面積が広いケロイドや肥厚性瘢痕に対して、まず保存的治療を選択した場合の1カ月分のオーダー。ヒルドイドソフトとアンテベート軟膏は25gずつ混用し、50gとする。
○ 1)と、2)または3)の併用を考慮する。

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  • ケロイド、肥厚性瘢痕、術後の傷跡に関する詳細情報
  • ケロイド、肥厚性瘢痕、術後の傷跡に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • ケロイド、肥厚性瘢痕、術後の傷跡に関する画像 (14件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

ケロイドの治療指針
肥厚性瘢痕の治療指針
胸部特発性ケロイドと腹部の術後ケロイド
右耳垂ピアス後ケロイド
整形外科手術後の肥厚性瘢痕
前胸部の特発性ケロイド
熱傷後肥厚性瘢痕
帝王切開後のケロイド
胸部のケロイド
隆起性皮膚線維肉腫
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01