薬剤投与と顎骨壊死 :トップ    
監修: 近津大地 東京医科大学
松尾朗 東京医科大学 口腔外科学講座

概要

疾患のポイント:
  1. 骨吸収阻害薬や血管新生阻害薬に関連し顎骨壊死が出現することがある。
  1. 主な骨吸収阻害薬にはビスホスホネート(BP)、抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)、抗血管新生阻害薬には抗VEGF抗体がある。これらの薬剤を総称して骨修飾薬(Bone modifying Agents:BMA)と総称することもある。
  1. 薬剤投与に関連して出現した顎骨壊死(ONJ)の定義は、①骨吸収阻害薬や血管新生阻害薬の投与の既往、②8週間以上の骨露出、③放射線治療の既往がないこと、――である。
  1. 顎骨壊死(ONJ)は、従来BPが主に関与してきたため、BRONJ(Bisphosphonate-related osteonecrosis of jaw)と呼称されてきたが、最近デノスマブなどのほかの骨吸収阻害剤も出現したため ARONJ(Anti boneresorptive agent-related osteonecrosis of jaw)、もしくは抗血管新生阻害薬も含めMRONJ (Medication related osteonecrosis of jaw)などの呼称をされるようになっている。本稿では、単純にONJの名称を使用する。
  1. ONJは抜歯などの口腔外科手術後に生じることが多い。ONJの主なリスクファクターは、投与期間、経静脈投与、化学療法やステロイドの併用、抜歯の既往、歯性炎症病巣の存在などがある。
  1. 好発部位は歯槽部、下顎臼歯部舌側歯肉、口蓋部である。
  1. 発生頻度は非常に低いと考えられているが、報告により非常にばらつきがある。注射用BP製剤で1~2%、経口BP製剤では0.00038~0.21%である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 上記の①~③の定義を満たしている口腔内への顎骨の露出で確定診断となる。
  1. 画像検査では、骨壊死を疑わせる画像所見として、骨硬化、骨融解像、歯槽硬線の肥厚などが挙げられる。
  1. 好発部位:<図表>
  1. 特徴的なX線所見:<図表>
  1. 病理組織所見:<図表>
 
重症度・予後:
  1. 予後:
  1. 本疾患は非常に難治性である。
  1. 重症度:
  1. 重症度別にStage…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 下記の①~③の定義を満たしている口腔内への顎骨の露出で確定診断となる。
  1. ① 骨吸収阻害薬や血管新生阻害薬の投与の既往
  1. ② 8週間以上の骨露出
  1. ③ 放射線治療の既往がないこと
  1. 画像検査では、骨壊死を疑わせる画像所見として、骨硬化、骨融解像、歯槽硬線の肥厚などが挙げられる。
○ ONJを疑う患者では通常1)にて評価をする。専門医のもとでは2)~4)の評価を行うこともある。抗菌薬の投与前には可能な限り5)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

ONJ連携治療の基本方針
骨吸収阻害薬や血管新生阻害薬が投与される疾患の臨床的な特徴
AAOMSの病期分類
ONJの初期症状と抜歯
ONJの累積発生率
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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