小腸腫瘍 :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
須並英二 日本赤十字社医療センター 大腸肛門外科

概要

疾患のポイント: >詳細情報 
  1. 小腸腫瘍の頻度は全消化管腫瘍のおよそ3~6%、全消化管悪性腫瘍のおよそ1~3%にすぎず、人口あたりの統計でも10万人あたり1人以下の発生率であり、非常にまれな疾患である。
  1. 小腸には40種類以上の腫瘍性病変が発生し得るが、およそ2/3は悪性とされている。
  1. 小腸悪性腫瘍としては、腺癌、悪性リンパ腫、平滑筋肉腫(GIST)、神経内分泌腫瘍(カルチノイドとも呼ばれる)などが認められるが、わが国では欧米に比較し神経内分泌腫瘍の占める割合は低い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 腹部腫瘤、イレウス症状、下血、貧血、腹痛などの症状を呈しているが、上部消化管精査、下部消化管精査にても原因疾患が同定できない場合、小腸腫瘍も想起する。
  1. カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡の登場により、小腸腫瘍の診断は急速に進歩したが、小腸腫瘍は腫瘍が増大し症状が現れてから診断されることが依然として多い。
 
手術適応・手術のオプション >詳細情報 
  1. 治療は小腸癌、神経内分泌腫瘍、GISTは原則として手術が第1選択であるが、悪性リンパ腫に対しては手術は限局性のものに限られる。
  1. 小腸癌治療は外科的切除が基本となる。病巣から十分な距離を確保した腸管切除、領域リンパ節郭清を伴った小腸部分切除術を行う。リンパ節郭清範囲、補助化学療法などに関する明確なエビデンスは存在しない。進行再発癌に対する標準的化学療法は現在までに確立されていない。
 
重症度予後: >詳細情報 
  1. 小腸癌の場合は、深達度、リンパ節転移、遠隔転移などを考慮し、TMN分類による病期分類が行われる。
  1. 悪性リンパ腫は、組織型と病期分類で治療方針が決定される。組織分類としてはWHO分類が、病期分類としてはAnn Arbor分類あるいはLugano国際会議分類が使用される。
  1. GISTの悪性度分類としては、腫瘍径と核分裂像をもとにリスク分類がなされ、治療や経過観察の方針決定に使用される。
神経内分泌腫…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 小腸精査に際しては、消化管狭窄や腸閉塞のない症例に関しては、カプセル内視鏡検査が適応となる。侵襲がほとんどないが、病理組織学的診断は不可能である。
  1. ダブルバルーン内視鏡検査は、癒着や狭窄のない症例では高率に全小腸の観察が可能である。組織生検や状況によっては内視鏡治療も可能である。
○ ほとんどすべての患者で、1)6)7)~10)を行う。腸閉塞のない患者では12)、高度な癒着のない患者では13)を行うことができる。以前は11)を行っていた。悪性腫瘍を疑う患者では2)を、悪性リンパ腫を疑う患者では、3)4)を、神経内分泌腫瘍特にNETを疑う患者では5)14)を考慮する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

GISTの治療方針
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


  • 消化器 の他のコンテンツを見る
  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ