今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 荒武寿樹1) 東京北部病院

著者: 亀岡信悟2) 牛久愛和総合病院

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2023/02/22
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、機能性消化管疾患・肝硬変についてはガイドラインに沿う図表の追加、日本人の癌データを更新、腹部膨満を来す一部症例の追加を行った。

概要・推奨   

  1. 腹部膨満・腹部腫瘤は腹腔内臓器の器質的病変に由来するものと機能的病態に起因するものがある。
  1. 器質的病変は画像診断が有用である。
  1. 機能的病態はそれぞれの疾患のガイドラインに沿った症状の把握が重要である。
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  1. IBSの有病率はおおよそ10%であり、経年的に増加しているとは言えない[1]
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 腹部膨満(感)は『お腹が張る』という自覚症状のあることをいう。一方、他覚的に、臥位で臍部や腹部の一部が剣状突起と恥骨を結ぶ線より突出している場合を腹部膨隆という。
  1. 過敏性腸症候群(IBS)などでは腹部膨満は必ずしも腹部膨隆を伴わないことがある。
  1. 腹部腫瘤は腹壁・腹腔内臓器に生じたしこりである。
  1. 腹部膨満の原因は、①腸管内ガス・液体の過剰な貯留、②腸管外腹腔内の異常な気体・液体貯留、③腹腔内臓器の腫大・腫瘤、④肥満、⑤妊娠――などがある。
  1. 腹部腫瘤は③の一部に相当するが、腹部膨満という自覚症状はなく、健診時診察や超音波検査、CTなどでみつかることもある。腹壁や腹腔内各臓器の腫大・腫瘍、ヘルニアなどがある。
 
  1. 腹部膨満・膨隆についての病態生理、診断、治療についてのレビュー
  1. まとめ:腹部膨満は年齢・性別にかかわらずよくみられる症状である。膨満感はほぼすべての過敏性腸症候群患者においてみられ、その他の機能性・器質的疾患でもみられる。
    膨満は有効な治療が少なく、必ずしも効果のない場合もあり、しばしば患者を苦しめ臨床家をも悩ませる。膨満と膨隆という言葉は同じように使われるが、これらの症状は異なった病態を含んでいる。両者はいまだ完全には解明されていない。ここでは病態、診断、治療について総説する。
  1. 追記:腹部膨満・腹部膨隆についての総説で有用な文献と思われる[2]
 
腸管ガスの成因

主に摂取された飲食物から腸管ガスは出来る。大量の二酸化炭素が消化の副産物として小腸に産生されるが多くは吸収される。水素と二酸化炭素のほとんどが大腸で産生されるがその多くは再吸収される。メタン産生菌が水素を消費してメタンチオールと硫化水素を出す。

出典

Brian E Lacy, Scott L Gabbard, Michael D Crowell
Pathophysiology, evaluation, and treatment of bloating: hope, hype, or hot air?
Gastroenterol Hepatol (N Y). 2011 Nov;7(11):729-39.
Abstract/Text Abdominal bloating is commonly reported by men and women of all ages. Bloating occurs in nearly all patients with irritable bowel syndrome, and it also occurs in patients with other functional and organic disorders. Bloating is frequently disturbing to patients and frustrating to clinicians, as effective treatments are limited and are not universally successful. Although the terms bloating and abdominal distention are often used interchangeably, these symptoms likely involve different pathophysiologic processes, both of which are still not completely understood. The goal of this paper is to review the pathophysiology, evaluation, and treatment of bloating and abdominal distention.

PMID 22298969
 
  1. 腹部膨満患者ではIBSも念頭に置くことが勧められる(推奨度2)
  1. まとめ:Lacyらによれば腹部膨満(感)の頻度は全米人口中15~30%であり、過敏性腸症候群(IBS)患者では66~90%にある[2]
    また、わが国における一般生活者におけるROMA III基準に合致するIBS患者の頻度は13.1%との報告がある。
  1. 代表事例:Miwaらによる20~79歳までの一般生活者15,000名を対象としたインターネットによるアンケート調査において、ROMA III基準に合致するIBS患者は13.1%であった[3]
    またOkumuraらによると、一般内科受診5,183名中、腹部症状は14.8%(818名)にあり、そのなかで機能性消化管障害患者は39.1%(320名)を占めた[4]
  1. 結論:機能性消化管障害は有病率が比較的高い疾患である。
問診・診察のポイント  
  1. 問診ではまず、症状発現時からの経時的変化、随伴症状の有無(腹痛、発熱、嘔吐など)が重要である。次に、既往歴(手術や外傷、悪性腫瘍など)、併存疾患(糖尿病、神経・筋疾患、精神疾患など)、現在使用している治療薬、食欲や体重変化、排便・排尿の状態、便・尿の性状、月経・不正出血、妊娠の有無などが大切である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
荒武寿樹 : 未申告[2024年]
亀岡信悟 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:杉原健一 : 特に申告事項無し[2025年]

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腹部膨満・腹部腫瘤

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