内ヘルニア・横隔膜ヘルニア :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
内門泰斗 夏越祥次 鹿児島大学 消化器外科

概要

内ヘルニア:
  1. 疾患のポイント:
  1. 内ヘルニアとは、腹腔内の大きな陥没部、嚢状部、裂孔に腸管など腹腔内臓器が陥入した状態である。
  1. 腸間膜や大網にできた異常裂孔へ陥入する異常裂孔ヘルニアと腹膜窩を通じて後腹膜へ入り込んだり、窩や嚢状部へ陥入する腹膜窩ヘルニアに大きく分類される。
  1. 内ヘルニアの分類として傍十二指腸窩(53%)、盲腸窩(13%)、Winslow孔(8%)、腸間膜裂孔(8%)、S状結腸間膜窩(6%)、後吻合部(5%)などがある。<図表>
  1. 頻度はまれで、closed loop obstructionが特徴である。
 
  1. 診断:
  1. 診断には、理学的所見のほかに腹部単純X線写真、超音波、CTを用いる。特に、腹部造影CTが有用である。(推奨度1)
  1. CT所見では、腸管の集簇像(cluster)、腸管の嚢状像(sac-like appearance)、mesenteric vascular pedicleの観察とヘルニア門の存在が重要である。(内ヘルニアの臨床、画像所見:<図表>
 
  1. 治療:
  1. 治療には、待機手術によるヘルニア門の閉鎖・開放が基本である。(推奨度1)
  1. 絞扼性イレウスでは、緊急手術を行う必要がある。 (推奨度1)
 
  1. 専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 初診時に腸管の壊死・穿孔がある症例、腹痛が強い場合、イレウス管で症状の改善のない症例など、手術が必要な場合には、消化器外科の専門医に相談する。
 
横隔膜ヘルニア:
  1. 疾患のポイント:
  1. 横隔膜ヘルニアとは、横隔膜の欠損部位から腹腔内臓器が胸腔内へ脱出する内ヘルニアである。
  1. 胸腹裂孔(Bochdalek)ヘルニア、傍胸骨裂孔(Morgagni)ヘルニア、食道裂孔ヘルニアがある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の全身状態を評価するための検査例
  1. 内ヘルニアによるイレウスにおいては、全身状態を評価することは、重要である。その結果では、アシドーシス、脱水、電解質喪失分などの補正を行う必要がある。
○ 腸管壊死に伴うアシドーシスを疑う場合、1)2)に加えて3)を追加する。

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薬剤監修について:
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(詳細はこちらを参照)

絞扼性イレウス診断・治療フローチャート
GERD治療のフローチャート
内ヘルニアの発生部位
横隔膜ヘルニアの部位
滑脱型食道裂孔ヘルニア
内ヘルニアの臨床、画像所見
上部消化管内視鏡検査の食道胃接合部
食道裂孔ヘルニアのCT矢状断
逆流性食道炎のロサンゼルス分類(改訂版)
GERDの手術適応 (SAGES ガイドライン)
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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