今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 河野辰幸 東京医科歯科大学名誉教授 / 仁寿会 中村病院 外科・消化器外科

監修: 木下芳一 兵庫県立はりま姫路総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2022/07/06
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 米国内視鏡外科学会ガイドラインのエビデンスレベルの高い推奨事項を「概要・推奨」に追記した。

概要・推奨   

  1. 病態評価では、さまざまな検査法のうち治療方針に影響するもののみ実施すればよい。
  1. 胃食道逆流症を伴わない滑脱型は治療の必要がない。
  1. 症状を伴う傍食道型では手術(修復術)が必要である。
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病態・疫学・診察 

まとめ  
  1. 食道裂孔ヘルニアとは横隔膜食道裂孔から腹腔内臓器が胸部へと脱出した状態であり、脱出臓器のほとんどは胃である。多くは後天性であるが、先天性のものもある。
  1. 軽症を含め、わが国成人の半数以上にみられるとの報告があり、食生活や体型の欧米化により増加傾向が指摘されている。
  1. 解剖学および生理学的見地から、滑脱型(sliding、Type Ⅰ)と傍食道型(para-esophageal、Type Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)が基本で、両者の併存するものは混合型(mixed、Type Ⅲ)と呼ばれる。一般に女性に多いとされるが、報告者によりその発生頻度には大きな幅がある。滑脱型が95%以上を占め、傍食道型のうち純粋型であるType Ⅱは非常に少なく、90%以上はType Ⅲである。胃以外の臓器や組織が脱出するものはType Ⅳに分類される。欧米の50歳以上の成人においては、無愁訴の群で約10%、消化器系愁訴のある群では約50%との報告があり、滑脱型では胃食道逆流防止機能の障害が生じ胃内容の食道への逆流が生ずる場合があり、胃食道逆流症(GERD)を合併する。
  1. 傍食道型ではヘルニア嚢が下部食道を圧排し、通過障害を訴えることが多い。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
河野辰幸 : 未申告[2024年]
監修:木下芳一 : 講演料(アストラゼネカ(株),武田薬品工業(株),大塚製薬(株),ヴィアトリス製薬(株))[2024年]

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食道裂孔ヘルニア

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