血友病(小児科) :トップ
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
加藤元博 国立成育医療研究センター小児がんセンター

概要

疾患のポイント:
  1. 血液凝固因子の先天性欠乏・低下によって起こる凝固障害であり、紫斑や関節出血、軟部組織出血や外傷後出血などの異常な出血がみられる。
  1. 第Ⅷ因子の欠乏・低下が血友病A、第Ⅸ因子の欠乏・低下が血友病Bである。
  1. 第Ⅷ因子、第Ⅸ因子ともにX染色体上に存在し、X連鎖劣性の遺伝形式をとるため、患者のほとんどは男性であり、女性は保因者となる。家族歴に出血症状があることが多いが、約3分の1の症例では家族歴を認めない。
  1. なお、血友病での予防接種は筋肉注射を避け、皮下注射で行う。
 
診断: >詳細情報 
  1. 出血症状の原因検索のスクリーニングとしてプロトロンビン時間(PT)およびAPTTを測定し、延長がみられた場合には第Ⅷ因子、第Ⅸ因子を測定する。ただし、軽症例ではAPTTの延長を示さないことがある。
  1. 第Ⅷ因子、第Ⅸ因子どちらかの活性低下がみられた場合にはそれぞれ血友病A・Bと診断する。ただし、診断にはvon Willebrand因子の活性を測定し、VWDを除外する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 凝固因子活性<1%を重症血友病、1~5%を中等症血友病、5~40%を軽症血友病と評価する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 補助療法:
  1. 出血部位のRICE処置、すなわち安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、拳上(Elevation)が補助療法として有用である。 エビデンス 
  1. 補充療法:
  1. 出血の部位・程度によって凝固因子の補充の適応および必要活性量を判断し、速やかに、かつ十分な量を投与することが必要である。<図表>  症例 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断時の検査例
  1. 男児がAPTT単独の延長をみた場合には、血友病を疑って検査を行う必要がある。
○ 以下のすべての検査を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

インヒビターのない患者の出血症状に対する治療
インヒビターのある患者の出血症状に対する治療
血友病患者の出血症状と推奨される凝固因子活性
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01


詳細ナビ