新生児黄疸(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
近藤雅楽子 東京都立墨東病院 新生児科

概要

疾患のまとめ:
  1. 新生児黄疸とは、新生児にみられる黄疸で、症候の1つである。新生児期では多くの児に発現し、このうち急激なビリルビン値の上昇や血清中の異常高値、長期に遷延する場合を病的黄疸と呼び、検査・治療を要する。
  1. 出生前に母体情報で新生児溶血性疾患の危険を有する場合(母体血液型Rh(-)、間接クームス陽性、不規則抗体陽性、遺伝性赤血球疾患家族歴、同胞の重症黄疸既往など)は、出生直後より注意して管理を行う。臍帯血または出生直後の血清ビリルビン値が3mg/dL以上であれば早期治療を開始する。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. ほとんどの新生児は、生後4~5日でピークとなるような生理的黄疸を呈する。
  1. 生後24時間以内に顕在化する黄疸(早発黄疸)のほとんどは溶血性疾患であり、迅速な対応が必要である。
  1. 生後数日で認める黄疸は、生理的黄疸が大半であるが、生理的範囲を逸脱する病的黄疸(新生児高ビリルビン血症)に対しては原因検索と治療を行う。
  1. 生後2週間を超えて遷延する黄疸(遷延性黄疸)は、病的意義の少ない母乳性黄疸のこともあるが、甲状腺機能低下症や胆道閉鎖症などの基礎疾患による症状のことがあるため原因検索が重要である。
 
原因疾患・合併疾患: >詳細情報 
  1. 原因疾患として、新生児肝炎や胆道閉鎖症、多血、貧血、低タンパク、アルブミン血症、溶血性黄疸、感染症、甲状腺機能低下症を評価する。
  1. 総ビリルビン、直接ビリルビン検査を行い、直接ビリルビンが、2mg/dL以上もしくは総ビリルビンの15%以上の場合は、新生児肝炎や胆道閉鎖症など胆汁うっ滞を来す基礎疾患の検索をさらに評価する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. ビリルビン脳症の1期症状(発病2~3日)として、筋緊張低下、嗜眠傾向、吸綴反射減弱、モロー反射減弱がある。
  1. ビリルビン脳症2期症状(発病3日~1週間)としては、発熱、甲高い泣き声、落陽現象…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初期治療
  1. 治療の基本は、基準値に即した光線療法と交換輸血である。
  1. 光線療法中は、十分な哺乳量を確保し、経口摂取が不十分な例では輸液を併用する。
  1. 光線療法中は、12~24時間ごとにTB採血で評価する。
  1. TBが光線基準より2~3下回れば光線療法を終了し、12~24時間後にTB採血でリバウンドを評価する。
○ TBが基準値に達した場合は1)を開始する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

新生児黄疸の診断
光線療法の適応基準(村田・井村の基準 1985年)
血清総ビリルビン濃度による光線療法と交換輸血の適応基準(神戸大学 中村の基準 1991年)
血清アンバウンドビリルビン(UB)濃度による光線療法と交換輸血の基準(神戸大学 中村の基準 1991年)
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10