急性リウマチ熱 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
武井修治 鹿児島大学 保健学研究科

概要

疾患のポイント:
  1. 急性リウマチ熱とは、A群レンサ球菌感染2~3週後に続発する全身性炎症性疾患である。罹患率に性差はなく、5~15歳に好発する。
  1. 抗菌薬で発症予防可能な疾患であり( エビデンス )、先進国での発生は激減し、わが国での年間患者数は17例にすぎない(2009年、小児慢性特定疾患治療研究事業に登録)。
 
診断: >詳細情報 
  1. Jonesの改定診断基準(2015)(<図表>)の以下の項目で診断を行う。
  1. 主症状:移動性多発性関節炎、心炎(顕性、不顕性)、舞踏病、輪状紅斑、皮下結節
  1. 副症状:多発関節痛、発熱≧38.5℃、赤沈値≧60mm/hまたはCRP≧3.0mg/dl、心電図PR時間延長
  1. 先行するA群レンサ球菌感染の証明(咽頭培養、迅速反応、A群レンサ球菌関連抗体)
  1. 先行するA群レンサ球菌感染が証明され、かつ主症状2項目以上、または主症状1項目+副症状2項目以上があればリウマチ熱である可能性が高い。
  1. 中・高侵襲地域では、緩和した基準が用いられる。
  1. 再発は、先行するA群レンサ球菌感染症に、主症状2項目以上、または主症状1項目+副症状2項目以上、または副症状3項目以上があれば判断される。
  1. わが国ではリウマチ熱の発生はまれであり、診断にあたっては慎重な判断が求められる。以下、各所見の特徴を記す。
  1. A群レンサ球菌先行感染の証明:ASO単回320 IU/ml以上または2週間隔の抗体価4倍以上の増加。<図表> エビデンス 
  1. 関節炎:大関節(膝、足、手、肘など)に好発し、小関節(指)や体軸関節(頚椎や股関節)はまれである。関節炎部位は1~2日で移動し、アスピリンが劇的に奏効する。
  1. 輪状紅斑:リウマチ熱に特徴的だが短時間で消退することが多い。
  1. 舞踏病:急性期に遅れて発症することが多い。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. Jones改定基準(2015)に記載された項目の検査を行うとともに、鑑別のための検査を行う。<図表>
  1. 全身状態の評価:末梢血、AST、ALT、LDH、Na、K、Cl、BUN、Creatinin
  1. 炎症病態の評価:CRP、赤沈 
  1. 先行感染の評価:A群レンサ球菌迅速診断キット、咽頭培養、ASO、ASK、DNAaseB
  1. 心炎評価:心電図、心エコー検査、胸部X線
  1. 鑑別疾患評価:若年性特発性関節炎:JIA(リウマトイド因子、抗CCP抗体)、膠原病(抗核抗体、C3、C4)、感染症(血液培養、プロカルシトニン)
○ 診断基準の評価、鑑別疾患の除外目的で下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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リウマチ熱の診療手順
輪状紅斑
リウマチ性心疾患にみられた弁膜肥厚
リウマチ熱の主症状
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31


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