今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 土井研人 東京大学医学部附属病院 救急・集中治療科

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/16
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行ったが、新たな知見はなかった(変更なし)。
 

概要・推奨   

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は以下のいずれかによって診断する[1][2]
  1. 48時間以内にSCr値が ≧ 0.3 mg/dL上昇した場合、または
  1. SCr値が7日前以内の既知あるいは予想される基礎値より ≧ 1.5倍の増加があった場合、または
  1. 尿量が6時間にわたって<0.5 mL/kg/時間に減少した場合
  1. AKIと診断した場合、さらに重症度基準によって病期分類する[1]。(表<図表>
  1. AKIは外来患者では年間100万人当たり5,000人に発症し、また、入院患者全体の2%程度に認め、特に重症度の高いICU入室患者では60%以上に認める頻度の高い病態である[3][4][5]
  1. AKIのリスクには血行動態の異常、腎毒性物質への曝露、合併症(心疾患、糖尿病、動脈硬化疾患など)があるが、既存の腎機能低下―慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が特に重要である[6]
  1. AKIは軽症(あるいは低いステージ)であっても、腎予後あるいは生命予後に影響する[7]
  1. AKIは必ずしも完全に回復する病態ではなく、腎機能回復が不完全でCKDとなったり、透析が必要な末期腎不全(end-stage kidney disease:ESKD)となったりすることもある[8]
問診・診察のポイント  
  1. 病態生理の観点からは厳密にはAKIを腎前性、腎性、腎後性と単純に分類することは困難であるが、実地臨床上はこの分類は非常に有用である。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
土井研人 : 研究費・助成金など(ニプロ(株))[2024年]
監修:岡田浩一 : 講演料(アステラス製薬(株),アストラゼネカ(株),小野薬品工業(株),田辺三菱製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),協和キリン(株)),研究費・助成金など(中外製薬(株),協和キリン(株))[2024年]

ページ上部に戻る

急性腎障害

戻る