うつ病(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
平岩幹男 Rabbit Developmental Research

概要

疾患のポイント:
  1. 古典的には、うつ病とは、ほとんど毎日の抑うつ気分、興味、喜びの著しい減退などの症状が2週間以上継続することを特徴とする精神科疾患である。
  1. 成人と同様に小児にもうつ病は存在し、しばしば発達障害を背景に認める。
  1. わが国での正確な思春期のうつ病の有病率は知られていないが、米国での報告などでは1,000人あたり20~50人と考えられており少ない疾患ではない。
  1. 最近では、抑うつ気分が部分的にみられる新型うつ病の報告もある。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 大うつ病のDSM-5による診断基準により診断する。(診断基準:<図表>
  1. 双極性障害の鑑別を要する。
  1. 診断の手がかりは睡眠・食事などでの問題だけではなく「全般的な生活動作への意欲の低下」が重要である。
 
治療: >詳細情報 
  1. 適切なカウンセリングや休養(学校などを休ませること)が必要である。成人のうつ病では「がんばってはいけない」ことが一般に知られているが、小児ではうつ病の存在が認識されていないので、学校への不適応に対していったん休ませる(通常はまず1週間休ませて、時間をかけてインタビューを行う:睡眠導入剤などを併用することもある)ことが必要であるが、実際には「気合が足りない」「根性がない」などの精神論的な対応によって登校を強制され、症状が悪化している場合もある。
  1. 診断基準を満たせば、あるいは診断基準が満たされなくてもうつ病あるいはうつ状態と考えられればすぐにSSRI(選択的セロトニン再吸収阻害薬)の投与をされているケースが多いが、SSRIには消化器系をはじめとしたさまざまな副作用もあり、効果が出現するまでに一般的には2~6週を要する。スルピリド、三環系抗うつ剤や漢方治療のほうが早く効果がある場合もある。ベンゾジアゼピン系を併用する場合は依存症に留意する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

小児のうつ病治療例
  1. 決して珍しい疾患ではなく、プライマリーケアでも対応が必要になる。
  1. カウンセリング、面接を行い、必要に応じて以下に示す睡眠導入剤や抗うつ剤を選択し、投与する。
○ 薬物療法を急ぐよりも、まず子どもの心と体の全体像を把握すること。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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初診からの流れ
大うつ病エピソードの基準
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13