髄膜炎(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
菅秀 独立行政法人国立病院機構 三重病院

概要

疾患のポイント: >詳細情報 
  1. 髄膜炎とは、クモ膜下腔の髄液内に細菌やウイルスなどが侵入して炎症を引き起こす疾患である。
  1. 細菌性、結核性、無菌性(ウイルス性、真菌性、寄生虫性)髄膜炎がある。
  1. 細菌性髄膜炎のうち、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌に起因する場合は、感染症法の5類感染症(医師による届け出)に分類され、診断した医師は、7日以内に最寄の保健所に届け出る必要がある。また、その他の菌に起因する細菌性髄膜炎は、5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約500カ所の基幹定点から毎週報告がなされている。また、髄膜炎菌性髄膜炎は学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「病状により学校医等において感染のおそれがないと認めるまで」を出席停止の期間の基準としている。
 
髄膜炎の診断:
  1. ポイント:
  1. 髄膜炎を疑ったら可及的速やかに髄液検査、髄液培養および血液培養を行う。
  1. 髄液中の細胞数増加、蛋白の増加、糖の減少などがあれば髄膜炎と診断する。
  1. 髄膜炎の診断と治療:アルゴリズム
  1. 髄液検査の解釈方法:
  1. 髄液細胞数の正常値は5/μl以下とされている。新生児はそれより多く30/μl以下とされている。
  1. 正常では好中球は検出されない。
  1. 正常蛋白濃度は45mg/dl未満とされているが、新生児はそれより高い傾向にあり、1カ月児で平均75mg/dlという報告がある。
  1. 正常な髄液糖/血糖値はおよそ0.6である。
 
細菌性髄膜炎:
  1. まとめ:
  1. 細菌性髄膜炎とは、細菌によって生じる髄膜炎のことである。
  1. 発熱、項部硬直、意識障害があれば髄膜炎を想起する。実際にこの3つが揃うことは少なく、生後1カ月未満の発熱では必ず髄膜炎も考慮に入れて検査を行う。
  1. 発熱、頂部硬直、意識障害のほかに、頭痛、背部痛、嘔吐、不機嫌、哺乳不良、顔色不良、けいれん、無呼吸、大泉門膨隆、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候、jolt accentuation、四肢の発疹(紫斑)などが大事な症状・所見である。 
  1. 診断:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 細菌性髄膜炎を疑ったら、まず髄液を採取し細胞数と細胞分画、蛋白、糖、グラム染色、抗原検査を確認し、培養を行う。
  1. 髄膜炎の診断と治療:アルゴリズム
  1. 必要に応じてウイルス分離、PCR、墨汁染色、抗酸菌染色、梅毒血清反応などを提出する。
  1. 血液培養、血糖測定、頭部CTあるいはMRIを行う。神経巣症状があれば腰椎穿刺の前にCTを行う。ただし抗菌薬の投与が遅れることのないようにする。
○ すべての患者で1)~9)12)17)18)を行う。必要に応じて、10)11)13)~16)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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髄膜炎の診断と治療
細菌性髄膜炎の後遺症
基礎疾患がある場合に予測される起炎菌
髄液検査の解釈
著者校正/監修レビュー済
2018/01/31


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