腹痛(小児科) :トップ    
監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター
稲毛英介 大塚宜一 順天堂大学医学部小児科

概要

症状のポイント:
  1. 腹痛とは、文字通り腹部の疼痛のことである。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 全身状態不良、ショック症状を伴う場合、全身状態の安定化を鑑別に優先する。アルゴリズム
  1. 吐血と全身状態の増悪を伴う場合は、緊急内視鏡の適応を考慮する。また、イレウス症状が明らかである場合、イレウス管を挿入する。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 診断的治療として代表的なものは便秘を疑った場合のグリセリン浣腸(体重1kgあたり1~2ml)である。非常に有益で便秘の場合、劇的な症状の軽快を得るが、成人ほど多くないが合併症のリスクもあり、直腸の便塊触知など総合的に便秘の可能性が高い場合に施行するのが望ましい( 便秘 参照)。浸透圧を考慮しハーフグリセリン、4分の1グリセリンを用いる施設もある。
  1. ブチルスコポラミンやオピオイド系鎮痛薬の安易な使用は症状をマスクし診断を遅らせるため、慎重に用いるべきである。 エビデンス 
 
診断へのアプローチ:(診察: >詳細情報 ・アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 腹痛は小児科外来では日常的によく遭遇する主訴であるが鑑別診断は幅広く、病態を理解した適切な鑑別を進める必要がある。
  1. 多くの急性腹痛はウイルス性胃腸炎や便秘症などの比較的軽症な疾患によって引き起こされるが、急性腹症といわれる緊急に外科的な介入を要する重症疾患が含まれることに常に注意が必要である。また、腹部の諸臓器以外にも、胸部疾患や心因性の原因で発症することがあり注意を要する。
  1. 比較的頻度が高く、かつ緊急性の高い小児救急疾患として腸重積と虫垂炎は常に注意することが大事である。
  1. 2~3週間を超えて持続する慢性の腹痛の鑑別では機能性疾患、器質的疾患、そして心理社会的要因の関与を鑑別する必要がある。心身の総合的アプローチを必要とすることもある。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性腹痛症の初診時評価例
  1. 重症感がある(経過観察・診断的治療で経過観察すべきでない)腹痛における初期対応をして、アルゴリズムアルゴリズムを参照して評価を行う。
○ トリアージによる対応の決定が最も重要であり、やみくもにスクリーニング検査を施行することはつつしむべきである。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

急性腹痛の診断アルゴリズム
便秘症の画像所見
急性虫垂炎の画像所見
腸重積の画像所見
アレルギー性紫斑病(IgA血管炎・シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)の腹部超音波所見
急性虫垂炎の画像所見
腸重積症の画像所見(いわゆるターゲットサイン)
著者校正/監修レビュー済
2018/08/23

改訂のポイント:
  1. エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017
に基づき確認を行った。本文の重大な改訂はないが、主に参考文献を最新のものに更新した。


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