今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤井俊光 東京医科歯科大学 潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター

著者: 清水寛路 東京医科歯科大学 潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正済:2023/08/16
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班):潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 令和4年度 改訂版
  1. 日本消化器病学会:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020(改訂第2版)
患者向け説明資料
薬価収載情報:
2023年05月25日
 オンボー 点滴静注300mg(ミリキズマブ(遺伝子組換え)注射液 ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤)
 オンボー 皮下注100mgオートインジェクター/皮下注100mgシリンジ(ミリキズマブ(遺伝子組換え)注射液 ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤)
 エンタイビオ 皮下注 108mgペン(ペンベドリズマブ (遺伝子組換え)皮下注 ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤)

改訂のポイント:
  1. 「潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針 令和4年度 改訂版」に基づき、以下について加筆した。
  1. 経口5-ASA製剤(メサラジン)は臨床的・内視鏡的な寛解維持に有効でありかつ安全である。1日用量2 g以上が推奨されるが高用量の長期投与が必要となる場合がある。1日1回投与とすることによりアドヒアランスは向上し、同等の寛解維持率が得られる。SASP(サラゾスルファピリジン)同様、経口5-ASA製剤による寛解維持効果もプラセボと比較したRCTで確認されている。
  1. 軽症から中等症の活動期UCで迅速な改善が望ましい場合や、十分量の5-ASA製剤による治療が不成功の場合には、ステロイド薬(プレドニゾロン(PSL) 30~40 mg/日)を投与するが、明らかな効果が得られたら順次漸減し、3カ月をめどに離脱するようにする。
  1. 5-ASA製剤による治療が効果不十分な場合にステロイド薬の代わりにカロテグラストメチル(カログラ)を用いてもよい。8週間を目安に効果判定を行い、寛解に至った時点で終了する(Matsuoka K, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022 Jul;7(7):648-657.)。
  1. 重症UCは入院の上全身状態の管理を行い、常に外科治療の適応に注意し必要に応じて外科医と連携して治療に当たる。
  1. 重症UCに対してはPSL40〜80 mg(1〜1.5 mg/kg)/日の点滴静注(ステロイド大量静注療法)を行う。効果が得られたらPSLを漸減し原則として3カ月をめどに離脱するようにする。必要と思われる場合は当初よりステロイド抵抗例の治療を行ってもよい。
  1. 適切なステロイド薬治療にもかかわらず1~2週間以内に明らかな改善が得られない場合はステロイド抵抗例と判断し、血球成分除去療法、シクロスポリン、タクロリムス、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、トファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、ミリキズマブが選択可能である。
  1. ステロイド薬の減量・離脱に伴って増悪または再燃し離脱が困難な場合はステロイド依存例とし、チオプリン製剤を併用し、ステロイド薬を離脱するが、効果不十分あるいはチオプリン製剤不耐例の活動期においては、血球成分除去療法、シクロスポリン、タクロリムス、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、トファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブ、ミリキズマブが選択可能である。
  1. ステロイド依存例・離脱困難例ではチオプリン製剤 (AZA(アザチオプリン)、6-MP(6-メルカプトプリン)など)を用いる。寛解導入後にAZAを継続することにより、50%前後からさらに高い寛解維持率が得られることが多くの研究により報告されている。効果発現は緩徐で1~3カ月を要することがあり、チオプリン製剤開始後1〜2カ月後にプレドニゾロンを漸減し離脱する。導入前にNUDT15遺伝子型を確認する。
  1. 重症UCでステロイド大量静注療法を行っても改善が不十分で、症状や炎症反応が強く劇症に近い場合、ステロイド抵抗例の治療の中でインフリキシマブ、タクロリムス、シクロスポリンが優先される。
  1. 免疫抑制的治療では結核併発のリスクが報告されており、これらの薬剤の投与に際しては十分な問診および胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験またはツベルクリン反応検査を行い、疑わしい場合には積極的に胸部CT検査も併用する必要がある。
  1. 長期経過例では炎症性発癌による潰瘍性大腸炎関連癌(UCAN)のリスクがあり、定期的な内視鏡検査を要する。
  1. また、薬剤について加筆・修正を行った。2023年5月25日にベドリズマブ(エンタイビオ皮下注)とミリキズマブ(オンボー静注・皮下注)が、6月にブデソニド(コレチメント錠)が薬価収載された。
  1. インフリキシマブ静注:チオプリン製剤との併用が有効性が高いことが示されており、免疫原性の面でも併用が望ましい。また、重症例UCに対するシクロスポリンとの比較試験が行われたが有効性に差を認めず、重症例でも選択肢となっている(Laharie D, et al. Lancet. 2012 Dec 1;380(9857):1909-15.)。
  1. アダリムマブ皮下注:その後行われた高用量試験において寛解導入において高用量導入は通常治療と有効性に差が認められなかったが、維持療法においては高用量(80 mgを2週毎または40 mgを毎週)で有意に有効性が高く、コントロール困難例では増量が保険適用となった。アダリムマブは、増量または期間短縮がUCで可能な唯一の抗TNFα抗体製剤である。
  1. ゴリムマブ皮下注:中等症から重症の難治性UCを対象としたRCTにおいて、GOLゴリムマブは寛解導入および寛解維持に有用である(Sandborn WJ, et al. Gastroenterology. 2014 Jan 01;146(1): 85-95.)。
  1. ブデソニド腸溶性徐放錠:軽症から中等症の活動期UCに対して寛解導入療法として有効であり、8週間をめどに使用する(Travis SP, et al. Gut. 2014 Mar;63(3):433-41.)。
  1. トファシチニブ経口:中等症から重症の活動期難治性UCを対象としたRCTにおいて、TOFは寛解導入および寛解維持に有用である(Sandborn WJ, et al. N Engl J Med. 2017 May 4;376(18):1723-1736.、Feagan BG, et al. N Engl J Med. 2013 Aug 22;369(8):699-710.)。
  1. フィルゴチニブ経口:中等症から重症の難治性UCに対して、フィルゴチニブは寛解導入および寛解維持に有用である(eagan BG, et al. Lancet. 2021 Jun 19;397(10292):2372-2384.)。
  1. ウパダシチニブ経口:中等症から重症の難治性UCに対して、ウパダシチニブは寛解導入および寛解維持に有用である(Lasa JS, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022 Feb;7(2):161-170.)。
  1. ベドリズマブ静注・皮下注:中等症から重症の活動期UCに対して、ベドリズマブは寛解導入および寛解維持に有用である(Feagan BG, et al. N Engl J Med. 2013 Aug 22;369(8):699-710.、Sands BE, et al. N Engl J Med. 2019 Sep 26;381(13):1215-1226.)。
  1. ウステキヌマブ静注・皮下注:中等症から重症の難治性UCに対して、ウステキヌマブは寛解導入および寛解維持に有用である(Sands BE, et al. N Engl J Med. 2019 Sep 26;381(13):1201-1214.)。
  1. ミリキズマブ静注・皮下注:中等症から重症の難治性UCに対して、ミリキズマブは寛解導入および寛解維持に有用である(D'Haens G, et al. N Engl J Med. 2023 Jun 29;388(26):2444-2455.)。

概要・推奨   

概要:
  1. 潰瘍性大腸炎(UC)は、日本で急増しており、2014度の調査による推定で22万人とされる。毎年約1万~1万5千人が増加しており、現在米国に次いで多く、世界第2位の患者数となっている。
  1. UCは、指定難病であり、診断基準を満たし、かつ重症度分類等に照らして一定程度以上の病状であれば、医療費助成の対象になる。
  1. 発症年齢は25~29歳にピークがみられ、性差はない。生命予後は健常者と差はない。
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  1. 重症UCではC. difficile やCMVの感染を考え、検索し治療することが推奨される(推奨度2、OG)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤井俊光 : 未申告[2023年]
監修:上村直実 : 報酬額(カイゲンファーマ株式会社),講演料(武田薬品工業株式会社)[2023年]

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