A群レンサ球菌感染症(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
石和田稔彦 千葉大学 真菌医学研究センター 感染症制御分野

概要

疾患のポイント:
  1. A群レンサ球菌による感染症には、咽頭炎、扁桃炎、その合併による扁桃周囲膿瘍、後咽頭膿瘍、化膿性リンパ節炎などがある。
  1. 咽頭炎・扁桃炎の感染経路は飛沫感染で、2~4日間の潜伏期間を経て急速に発症する。
  1. A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、感染症法の5類感染症に分類され、小児科定点医療機関では、週単位(月~日)で最寄の保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法に定める第三種学校感染症疾患であり、抗菌薬投与後24時間を経て全身状態が良好ならば登校可能である。また、劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、5類全数把握疾患である。A群レンサ球菌感染症にショック症状を伴い、劇症型溶血性レンサ球菌感染症の臨床症状を認める場合には診断後7日以内の届け出が必要となる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 急な発熱と咽頭痛を主訴とする小児で、咽頭発赤が強い症例については、A群レンサ球菌感染症を疑う。
  1. 急な発熱と発疹、腹痛を主訴とする小児では、A群レンサ球菌感染症を考え、咽頭所見を必ず確認する。
  1. Centorスコアは症状と臨床徴候をスコア化し、A群レンサ球菌による咽頭炎の診断に役立てようとするものである。①問診上の発熱(>38℃)、②圧痛を伴う前頚部リンパ節腫脹、③扁桃の白苔や滲出物、④咳嗽を欠く、――の4項目から評価し、4項目すべてが揃った場合、培養結果でA群レンサ球菌が分離される確率は56%であったとされる。McIsaacらは、Centorスコアに年齢を加味する(15歳未満 +1、45歳以上 -1)ことにより、小児から成人まで使用できるスコアを提唱している。これらのスコアでA群レンサ球菌感染症を疑った場合(通常2点以上)には、咽頭細菌培養、あるいは咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査を実施し、診断を確定する。
 
合併疾患の評価: >詳細情報 
  1. 抗菌薬治療後に、リウマチ熱、急性糸球体腎炎、アレルギー性紫斑病、自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害などを合併することがある。発熱、関節症状、血尿、蛋白尿、浮腫、紫斑…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 咽頭細菌培養検査が最も確実な診断方法である。
  1. 30分以内に結果が知りたい場合には、迅速抗原検査を実施する(ただし、菌量が少ない場合、結果が陰性となることがある)。
○ A群連鎖球菌感染症を疑った場合、下記の検査より1つを選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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A群レンサ球菌感染症の診断・治療アルゴリズム
A群レンサ球菌感染症の咽頭所見
A群レンサ球菌による壊死性筋膜炎
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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