肺水腫 :トップ    
監修: 久保惠嗣 地方独立行政法人 長野県立病院機構
久保惠嗣 地方独立行政法人 長野県立病院機構

概要

所見のポイント:
  1. 肺水腫とは、肺血管外での異常な液体貯留と定義される。
  1. 肺水腫の分類:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 臨床症状、聴診所見、低酸素血症の存在、胸部画像での両側(REPEでは一側)の浸潤影(通常は肺胞性、ときにすりガラス影)がみられれば、肺水腫と診断する。 エビデンス 
  1. 鑑別疾患である、緊張性気胸、喘息、急性肺血栓塞栓症、重症肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の(急性)増悪、特発性肺線維症(IPF)の(急性)増悪などを除外する。
  1. 次に原因疾患を評価する。特に心原性肺水腫と非心原性肺水腫を鑑別する。
  1. 肺水腫の胸部X線写真(CXR):<図表>
 
原因疾患の評価:アルゴリズム
  1. 最も頻度の多いのは、静水圧性、特に急性左心不全で代表される心原性肺水腫である。胸部画像所見で両者の鑑別が可能である。主な鑑別点は、心陰影や上大静脈影の拡大の有無、肺水腫像の特徴(バタフライ様かびまん性か)、気管支周囲や小葉間隔壁の肥厚(Kerley Bライン)。 エビデンス 
  1. したがって、まず最初に心原性肺水腫(急性左心不全)かどうかを評価する。次に、透過性亢進型の非心原性肺水腫の代表であるARDS、TRALIを評価し、続いて、混合型非心原性肺水腫のREPE、NPE、HAPEなどを評価する。
  1. 急性呼吸窮(促)迫症候群(acute respiratory distress syndrome、ARDS) エビデンス 
  1. 輸血関連急性肺障害(transfusion-related acute lung injury、TRALI …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

肺水腫の診断のための評価例
ポイント:
  1. 急性に息切れ・呼吸困難を訴える症例には、肺水腫かどうかを診断する。緊張性気胸、喘息、急性肺血栓塞栓症、重症肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の(急性)増悪、特発性肺線維症(IPF)の(急性)増悪などが鑑別疾患である。
  1. 特に病歴の評価が大事である。(病歴の診察方法: >詳細情報 )
 
肺水腫共通の検査所見:
  1. 胸部画像(胸部X線写真、胸部CT像)で肺水腫像がみられる。
  1. 低酸素血症、通常はⅠ型呼吸不全を呈することが多い。
  1. 心不全は肺水腫の原因疾患として非常に頻度の多い疾患であり肺水腫の診断目的で評価されることもある。
○ 呼吸困難を訴える症例で、9)で両肺に陰影を認めたら、肺水腫を念頭に置く。

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心原性肺水腫と非心原性肺水腫の臨床的鑑別診断アルゴリズム
肺水腫の分類
ARDSの基礎疾患
心原性肺水腫と非心原性肺水腫の胸部画像所見からの鑑別
肺水腫の胸部X線写真(CXR)
左心不全(心原性肺水腫)
糖尿病性壊疽の経過中に発症したARDS
ARDS発症時の胸部CT像
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22


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