パルボウイルスB19感染症(含む伝染性紅斑/リンゴ病) :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
堀越裕歩 東京都立小児総合医療センター 感染症科

概要

疾患のポイント:
  1. パルボウイルスB19感染症とは、気道分泌物から飛沫感染で拡がる感染症で、小児で不顕性感染、伝染性紅斑(別名リンゴ病)、思春期・成人では関節炎、肝炎を発症する。
  1. 伝染性紅斑は、7~10日前に先行する感冒症状があり、両頬に紅斑が出現、そのあとに四肢に網目状紅斑を来す疾患である。体幹に網目状紅斑が出ることもある。
  1. 通常予後はよい疾患であるが、aplastic crisis、胎児水腫など重症化することがある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 小児例では、伝染性紅斑は、周囲の流行状況、典型的な臨床経過と皮疹で臨床診断する。成人例では肝炎、関節炎を想起し、抗体価の上昇で診断する。
  1. 確定診断をする場合は、パルボウイルスB19 IgM、IgGを評価する。
  1. IgGは2~4週間後のペア血清で判定するがEIA法では有意な上昇や下降とする基準はなく、上昇を認める場合、陰性から陽転した場合を陽性所見として判断し、臨床的所見とともに総合的に判断することが多い。
  1. IgMは数カ月持続し、偽陽性が知られており、感度も特異度も高くない。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 通常、1週間程度で皮疹は消退し、症状は軽快する。
  1. 遺伝性球状赤血球症などの造血能の亢進の病態がある場合にパルボウイルスB19の初感染でaplastic crisisによるショックで重症化することがある。
  1. 重症化のリスク患者としては、以下が挙げられる。
  1. 造血が亢進している病態がある患者(遺伝性球状赤血球症などの溶血性貧血):aplastic crisisで急激な貧血でショックを来すことがある。皮疹はないことが多い。
  1. 妊婦:在胎週数20週未満で流産、胎児水腫の原因になる。
  1. 免疫不全:慢性貧血の原因になることがある。
 
治療: >詳細情報 (診断後のフォロー:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

感染症の診断のための検査
  1. 急性期と回復期のペア血清で判断する。典型例では、急性期にIgM陽性、IgG陰性、回復期にIgM陰性、IgG陽性で確定診断となる。しかしIgMの陽性は遷延することがある。また他の感染症による偽陽性も多いため、必ず臨床症状と併せて判断する。
○ 検査で確定診断する場合は1)を行う。急性期と回復期のペア血清をみる場合は、1)、2)の検査を行う。

追加情報ページへのリンク

  • パルボウイルスB19感染症(含む伝染性紅斑/リンゴ病)に関する詳細情報
  • パルボウイルスB19感染症(含む伝染性紅斑/リンゴ病)に関する評価・治療例(詳細) (1件)
  • パルボウイルスB19感染症(含む伝染性紅斑/リンゴ病)に関するエビデンス・解説 (3件)
  • パルボウイルスB19感染症(含む伝染性紅斑/リンゴ病)に関する画像 (6件)
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

パルボウイルスB19感染の診断後のフォロー
ヒトパルボウイルスB19関連感染症
伝染性紅斑の四肢の網目状紅斑
伝染性紅斑 体幹部の紅斑
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25