淋菌感染症(婦人科) :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
保田仁介 日本性感染症学会(前松下記念病院産婦人科)

概要

  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017
  1. 性感染症診断・治療ガイドライン2016
の発表に伴い、現在アップデート中
 
疾患のポイント:
  1. 淋菌の起こす感染症は、子宮頸管炎が最も多いが、咽頭感染、骨盤内感染、結膜炎、尿道炎などがある。最近の淋菌感染症は無症状なものが多く、感染リスクがあれば積極的に検査を行う。
  1. 淋菌感染症は、感染症法の5類感染症に分類され、性感染症定点医療機関(産婦人科等医療機関)では、月単位で最寄りの保健所に届け出る必要がある。また、1回の性交による感染伝達率は30%程度と高いと考えられている。
  1. 検査方法としては感受性を評価できる培養法がよいが、検査条件が厳しい。核酸増幅法は、感度、特異性に優れており、クラミジアも同時に検査できるため、子宮頸管炎の評価など、クラミジアとの同時評価が必要な場合や淋菌培養が困難な場合には選択される。実際、日産婦ガイドラインでは、検査法としては、培養法よりも核酸増幅法の方を前に出す(第一選択)にする傾向にあると記載されている。罹患部は、尿道、子宮頸管、直腸、咽頭の順に低くなる。
  1. 治療には経口薬は用いず注射薬を用い、セフトリアキソン(ロセフィン)を第1選択とする。多剤耐性菌が多く、治療後には淋菌の消失確認が望ましい。また、パートナーの治療は必須である。
  1. 日本性感染症学会の性感染症診断・治療ガイドライン 2011 における淋菌感染症の治療:<図表>
 
淋菌性子宮頸管炎: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 子宮頸管部の感染症である。多くが無症候で性行動に基づくスクリーニング検査でみつかることが多い。帯下異常などを訴えることもある。 
  1. 診断:
  1. 子宮頸管スワブからの淋菌の検出(淋菌培養法あるいは核酸増幅法による)にて診断となる。
  1. 帯下の検査手順:<図表>
  1. 各種腟炎の比較:<図表>
  1. 治療:
  1. セフトリアキソン(ロセフィン)点滴静注1.0g単回投与にて加療する。
  1. 専門医:
  1. 淋菌の多剤耐性化がすすんでおり初回治療が無効の際には専門医へ紹介する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

子宮頸管炎の検査・治療例
  1. 子宮頸管スワブからの淋菌の検出(淋菌培養法あるいは核酸増幅法による)にて診断となる。
  1. 同時感染も多く、また治療法の異なるクラミジア性子宮頸管炎を鑑別する。
○ 診断目的で、1)2)による評価を行う。治療として、通常3)を用いる。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

淋菌感染症の検査手順
感染症発生動向調査による定点把握性感染症の定点当たり報告数の月次推移(1987~2011年)
帯下の検査手順
各種腟炎の比較
骨盤内感染症の診断と鑑別基準
骨盤内感染症鑑別診断のためのフローチャート
日本性感染症学会の性感染症診断・治療ガイドライン 2011 における淋菌感染症の治療
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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