今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 栃谷健太郎 京都市立病院 感染症科

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正/監修レビュー済:2023/04/19
参考ガイドライン:
  1. Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock:2021.
  1. 日本集中治療医学会日本救急医学会合同:日本版敗血症診療ガイドライン 2020
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、主に以下の点について加筆修正を行った。
  1. 敗血症ガイドライン(International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2021、日本版敗血症診療ガイドライン2020)において敗血症とショックの定義が変更された。
  1. 非複雑性のグラム陰性桿菌による菌血症の治療期間において、7日と14日の治療を比較したランダム化比較試験では有意な差が見られなかったため、合併症を生じておらず、患者の状態に改善がみられ菌血症の持続もなければ、7日間の治療でも良い。

概要・推奨   

  1. 敗血症とは「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義された。そして臓器障害は「感染症が疑われ、SOFA(Sepsis-related Organ Failure Assessment)スコアが2点以上増加したもの」と定義された。また、敗血症性ショックとは、敗血症の中に含まれる1区分であり、「急性循環不全により細胞障害および代謝異常が重度となり、ショックを伴わない敗血症と比べて死亡の危険性が高まる状態」として定義され、診断基準は「十分な輸液負荷にもかかわらず、平均動脈圧65mmHg以上を維持するために血管作動薬を必要とし、かつ血清乳酸値が2mmol/Lを超えるもの」とされた(推奨度1 JG)
  1. 血液培養予測ルールにて、大項目1つ、あるいは小項目2つ以上該当すれば血液培養採取を行う(推奨度2 O)
  1. 成人の場合、1セット当たり最低10mL(理想的には20mL)血液を採取すべきであり、1セットずつ別々の部位より採取することが強く推奨される(推奨度2 O)
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  1. 緑色レンサ球菌、Streptococcus bovis、HACEK、黄色ブドウ球菌、市中感染による腸球菌がみられた場合は感染性心内膜炎の可能性も考え、フォローの血液培養を採取することが強く推奨される(推奨度2 O)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
栃谷健太郎 : 特に申告事項無し[2023年]
監修:山本舜悟 : 企業などが提供する寄付講座(日本財団)[2024年]

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