骨盤内炎症性疾患

著者: 佐藤麻希子 大館市立総合病院産婦人科

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2020/08/27
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020
  1. 日本感染症学会日本化学療法学会:JAID/JSC感染症治療ガイド2014
  1. 日本性感染症学会:性感染症 診断・治療 ガイドライン2016(改訂版)

概要・推奨  

  1. 軽・中等症例では外来での抗菌薬治療が勧められる。外科的緊急疾患が除外できない症例、妊婦、経口抗菌薬が無効な症例、経口投薬ができない症例、悪心嘔吐や高熱を伴う症例、卵管卵巣膿瘍を伴う症例では入院が勧められる(推奨度2)。
  1. 卵管留膿腫または卵巣膿瘍が存在する症例ではメトロニダゾールの投与追加など、嫌気性菌をカバーする処方が推奨される(推奨度2)。
  1. 軽症・中等症例にはセフェム系やニューキノロン系の内服薬を投与し、中等症ではセフェム系(第2世代まで)点滴静注を選択することができる(推奨度2)。
  1. 淋菌の多剤耐性化は進行しており、淋菌感染が疑わしい場合にはキノロン系の単独投与は推奨されない(推奨度2)。
  1. 嫌気性菌のクリンダマイシン(ダラシン)、ミノサイクリンへの耐性が認められるようになっており、推奨薬から除外された。
  1. PIDのリスク因子はPID既往、IUD使用、腟炎、細菌性腟症、頸管炎、複数の性的パートナー、若年・未婚女性、腟洗浄等の経腟的処置、月経不順、クラミジア既往感染が挙げられる(推奨度2)。
  1. 敗血症性ショックに陥ると死亡率は30~40%である。起炎菌がPseudomonas aeruginosaE. coli, Klebsiella属では死亡率が30%以上であることから、これらの十分なカバーを考えた抗菌薬投与を必要とする。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020 に基づき、以下の改訂を行った。
  1. 診断基準の変更(「腹腔鏡による炎症の確認」の削除)
  1. 治療薬の推奨の変更(内服薬からβ-ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系の削除。併用薬からクリンダマイシン、ミノサイクリンの削除(耐性菌の増加に伴い))

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