今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 角田茂 京都大学 消化管外科

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正済:2025/02/12
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆した。
  1. 早期からの鎮痛剤(アセトアミノフェン)の使用:
    原因にかかわらず、外科コンサルト前でも早期の鎮痛剤投与が推奨される(Rogers SO Jr, et al. N Engl J Med. 2024 Jul 4;391(1):60-67.)。成人にはアセトアミノフェン1000 mgの点滴静注が推奨される(Mayumi T, et al. Jpn J Radiol. 2016 Jan;34(1):80-115)。
  1. 造影CTの意義:
    単純CTは急性腹症患者において造影CTに比べおよそ30%診断能が劣る(Shaish H, et al. JAMA Surg. 2023 Jul 1;158(7):e231112.)。そのため、重篤な急性腹症には腹部造影CTが勧められる。

概要・推奨   

概要:
  1. 急性腹症は最近もしくは突然発症した腹痛と定義され、通常は1週間以内の急性発症で手術などの迅速な対応が必要な腹部疾患であり、新たに出現した痛みの場合とともに慢性疼痛の増悪も含まれる疾患概念である。
  1. 確定診断が困難なことも多く、35~41%の患者は救急外来での確定診断に至らずに入院となる。確定診断に至らない腹痛のおよそ8割は、2週間以内に軽減・消失する。
  1. 高齢者の急性腹症は、1/2~2/3が入院加療を要し、約1/3の症例は外科的介入を要する。若年者に比し死亡率は6~8倍である。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 急性腹症は最近もしくは突然発症した腹痛と定義され、通常は1週間以内の急性発症で手術などの迅速な対応が必要な腹部疾患であり、新たに出現した痛みの場合とともに慢性疼痛の増悪も含まれる疾患概念である。
  1. 腹腔内の異常に起因する場合と、腹腔外に原因のある場合がある。
  1. 救急外来における受診動機の5~10%を占める。確定診断が困難なことも多く、35~41%の患者は救急外来での確定診断に至らずに入院となる。確定診断に至らない腹痛のおよそ8割は、2週間以内に軽減・消失する。
  1. 高齢者の急性腹症は、1/2~2/3が入院加療を要し、約1/3の症例は外科的介入を要する。若年者に比し死亡率は6~8倍である。
  1. 高齢者や糖尿病患者などは、重症であっても、典型的な症状を呈さないことがあり注意が必要である。
  1. 主な急性腹症の比較:<図表>
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 意識状態・バイタルサインの評価:
  1. 例:ぐったりした傾眠傾向を認める場合は、敗血症を想起する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
角田茂 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:杉原健一 : 特に申告事項無し[2024年]

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