卵管疎通障害 :トップ    
監修: 小西郁生 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
齊藤 英和 国立成育医療研究センター母性医療診療部

概要

疾患のポイント:
  1. 卵管疎通障害とは、卵管内腔の閉塞および周囲との癒着により、受精が起こりにくく、不妊症の原因となる病態である。近年クラミジア感染による卵管疎通障害が増加してきている。
  1. 一般に、全不妊患者の約30%は卵管に原因があるといわれている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 卵管疎通障害の一次スクリーニング検査として子宮卵管造影検査または通気検査を行う。子宮卵管造影検査にはヨード系造影剤を用いてX線透視下に行う。一次スクリーニング検査で片側性の卵管疎通障害の場合、年齢を考慮してタイミング療法または人工授精(+/-調節排卵刺激)を数回行う。妊娠が成立しない場合、二次スクリーニング検査または、腹腔鏡下手術や生殖補助医療による治療を選択する。また、一次スクリーニング検査で両側性の卵管疎通障害の場合、疎通障害部位に応じて二次スクリーニング検査および腹腔鏡下手術または卵管鏡下卵管形成術、生殖補助医療を選択する。
  1. 二次スクリーニング検査としては子宮鏡下または腹腔鏡下に色素通水を行い卵管の疎通性を検査する。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 卵管留水腫に開口術、卵管鏡下卵管形成術を行うことにより疎通性は8-9割程度回復するが妊娠率は20~30%にとどまる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療方針の決定において子宮卵管造影検査は重要であり、片側性・両側性および閉塞部位によって治療法が異なる。
  1. 特に重要なことは、不妊症には男性側にも不妊原因が同時に発症していることがあり、不妊検査は男女同時に行われなければならない。例えば、男性側が重症精子減少症や重症精子無力症の場合、女性側の卵管の疎通性がどのような状態であっても顕微授精を治療法と選択するように、男性側の検査結果によっては、治療法が決まってしまう場合がある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 卵管鏡下卵管形成術、腹腔鏡下手術、生殖補助医療を必要とする場合それぞれの手技に熟練した専門医に紹介する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

不妊症一次スクリーニング評価例
  1. 一般に卵管疎通障害は無症候性なので、頻度の高い不妊因子を検査する。
○ 不妊症患者全例で一次スクリーニングを行い、その他不妊因子も考慮したうえで両側、片側の卵管閉塞に対し、腹腔鏡下検査および手術、生殖補助医療の提案をする。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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卵管疎通障害治療
子宮卵管造影検査:卵管留水腫
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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