骨盤臓器脱

著者: 古山将康 大阪市立大学大学院医学研究科 女性生涯医学

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2018/12/06

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 性器脱は腟壁の弛緩によって骨盤底臓器が下垂・脱出するヘルニアの状態を指す。肛門から直腸壁が重積のような形で脱出する直腸脱を合わせて、骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse、POP)と呼ばれる。
  1. 性器脱(骨盤臓器脱)の進展は骨盤底臓器の支持機構の破綻による。発症には素因(人種や遺伝的要素)、誘発因子(妊娠・分娩、手術既往)、助長因子(肥満、便秘、慢性の咳、職業など)、非代償性因子(加齢、エストロゲン低下、組織の萎縮)が関わる。
  1. 性器脱(骨盤臓器脱)は陰部からの腟の脱出に伴う違和感として気づかれることが多い。無症状の患者が多く、20~80歳の女性で有症状の骨盤臓器脱の頻度は約3%とされる。
  1. 女性が20~80歳までに性器脱(骨盤臓器脱)もしくは尿失禁で手術を受ける生涯リスクは約11%である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 子宮脱かどうかは内診のみで診断可能である。砕石位で腹圧をかけさせ(バルサルバ法)、腟のどの部位が下垂してくるかを確認する。診察は砕石位で安静時、腹圧時で行ってゆくが、腹圧がうまくかけられない患者は必ず立位で確認する。
 
重症度・合併症の評価:
  1. 解剖学的骨盤底臓器支持機構の破綻で性器脱(骨盤臓器脱)が起こる。支持機構はDeLanceyのレベルⅠ、Ⅱ、Ⅲに分類される 。POP-Q 記載法(pelvic organ prolapse quantification system)で客観的に下垂度を診断する。
  1. 経会陰超音波断層検査で膀胱、子宮、直腸の動きを観察する。また、排尿日誌による下部尿路症状の評価と、Q-tip試験で尿道過可動を診断する。
  1. 骨盤臓器脱:<図表>
  1. Q-tip試験:<図表>
  1. 排尿日誌:<図表>
  1. 解剖学的骨盤底臓器支持機構(DeLancey):<図表>
  1. Pelvic Organ Prolapse Quantification System(POP-Q):<図表>
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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