今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 千葉博基 北海道大学大学院医学研究院 腎泌尿器外科学教室

監修: 菊地栄次 聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学

著者校正/監修レビュー済:2024/10/16
参考ガイドライン:
  1. 日本泌尿器科学会:男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン
  1. 日本排尿機能学会日本泌尿器科学会:女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版]
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。
 

概要・推奨   

  1. 尿閉とは膀胱内の尿を全く排出できないか、排出するのがきわめて困難な状態で、多量の残尿が常時ある状態である。
  1. 苦痛を伴う急性尿閉では、尿道カテーテル留置や導尿で対応する。
  1. 男女共に尿閉の原因は様々であり、時に重大な背景疾患が隠れていることがある。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 尿閉とは膀胱内の尿を全く排出できないか、排出するのがきわめて困難な状態で、多量の残尿(300mL以上が目安)が常時ある状態である[1][2]。尿閉の原因には下部尿路閉塞、排尿筋収縮不全、薬剤による影響、下部尿路や性器の感染や炎症、神経因性の排尿障害などがあり、さらにいくつかの原因が複合している例もある。
  1. 尿閉は、急激に発症し膀胱痛や強い残尿感などを伴う急性尿閉と、慢性に経過し膀胱痛などの症状を伴わない慢性尿閉に区別される。急性尿閉では、導尿により尿を排出しない限り患者の苦痛は改善しない。慢性尿閉は自覚症状に乏しいが、腎後性腎不全などの合併症が存在する可能性がある。
  1. 地域住民を対象とした研究では、中高年男性が急性尿閉を発症する頻度は年間1,000人当たり3.06件から6.8件と報告されている[3][4]。加齢に伴って高率となり、70歳代の男性の10%、80歳代男性の30%が急性尿閉を経験する[4]。女性に急性尿閉が発生する頻度は男性よりも低いと考えられるが、十分な調査がなく実際の頻度は不明である。
問診・診察のポイント  
診察:
  1. まず尿閉なのか無尿なのかを判断することが大事である。

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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
千葉博基 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:菊地栄次 : 講演料(MSD(株),アステラス製薬(株),日本化薬(株),ヤンセンファーマ(株),ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),メルクバイオファーマ(株)),研究費・助成金など(MSD(株),アストラゼネカ(株))[2024年]

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尿閉

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