前庭神経炎

著者: 鈴木光也 東邦大学医学部耳鼻咽喉科学講座(佐倉)

監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院

著者校正/監修レビュー済:2019/09/13

概要・推奨  

  1. 温度刺激検査の結果から上前庭神経炎が大多数であり、ついで上下前庭神経炎が少数に認められた。下前庭神経のみの障害は極めてまれである。
  1. ヒトの前庭神経節において約60%の頻度で、HSV-1のDNA が同定されている。またHSV-1の存在が、前庭神経のみならず迷路内にも見出されており、前庭神経から迷路までに広がる病態も考えられる。
  1. めまい急性期の対症療法
  1. 補液+メイロンは動揺病に対して行われていた治療であり、めまい発作を制御することに関して有効性を支持するエビデンスはないが、アシドーシスの是正、高浸透圧効果が推測されている。
  1. めまい急性期の治療
  1. セレナール、リーゼ、デパスなどのベンゾジアゼピン系抗不安薬は、GABA 作動性の抑制機構の増強効果があり、前庭小脳において健側前庭神経核の興奮を抑制し、左右不均衡を軽減させることで前庭代償を促進させるため、特に前庭神経炎の薬物治療として用いられている。
  1. めまい慢性期の治療(理学療法[北里方式])
  1. 前庭機能低下の程度に応じて運動を選択する。可能な運動より少し難しい運動を選んで実施する。運動は、簡単なものより複雑なものへ、ゆっくりしたものより素早いものへ、短時間より長時間へ、低頻度より高頻度へと変化させていく。この運動によって強いめまい症状や自律神経症状が生じた場合には休憩する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、鑑別疾患について加筆・修正を行った。


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