今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 室伏利久 帝京大学 耳鼻咽喉科

監修: 永山正雄 国際医療福祉大学医学部・成田病院 脳神経内科、集中治療部

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 新しく診断基準が発表された両側性末梢前庭障害 (bilateral vestibuluopathy)、加齢性末梢前庭障害 (presbyvestibulopathy) および持続性知覚性姿勢誘発めまい (persistent postural-perceptual dizziness) について記載した。
  1. 新しい平衡機能検査としてビデオヘッドインパルステスト (video head-impulse test、vHIT) を追加した。

概要・推奨   

  1. 平衡障害は高齢者の転倒の原因の1つであり、転倒は深刻な問題を引き起こす可能性がある(推奨度1)
  1. 急性発症の強い平衡障害の場合、眼振はなくても小脳梗塞を疑う必要がある(推奨度1)
  1. Romberg徴候陽性の場合には、固有感覚(深部感覚)障害のみならず、両側末梢前庭障害の可能性も考えなければならない(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 平衡障害を一般的なことばで表現すると、「ふらふらする感じ」、「ふらつき」、「何となくバランスのわるい感じ」となる。
 
  1. 平衡障害は高齢者の転倒の原因の1つであり、転倒は深刻な問題を引き起こす可能性がある(推奨度1)
  1. 1:平衡障害・歩行障害は高齢者の転倒の主因の1つである。過去の論文における報告をまとめると、転倒症例の17%では、平衡障害・歩行障害がその主たる原因である[1]
  1. 2:米国における調査では、1985年に65歳以上の高齢者の18%、75歳以上の後期高齢者の25%が転倒を経験したという。また、これらの転倒者の15%から23%はめまい感のため転倒したということである[2]
  1. 3:Wild D et al.(1981)[3]の報告によれば、転倒した高齢者のその後1年間における死亡率は、対照群の4倍であった。<図表>
  1. 追記:高齢者の転倒を予防し、死亡に至る深刻な事態を避けるためにも平衡障害の適切な診断と治療が重要である。
 
高齢者の転倒後12カ月の累積死亡率の対照群との比較

転倒後の12カ月における累積死亡率は対照群の4倍であった。

出典

Wild D, Nayak US, Isaacs B.
Prognosis of falls in old people at home.
J Epidemiol Community Health. 1981 Sep;35(3):200-4. doi: 10.1136/jech.35.3.200.
Abstract/Text One hundred and twenty-five people aged 65 and over in the Birmingham area who fell at home were followed up for one year after the fall had been reported by the general practitioner. They were compared with 125 control subjects matched for age and sex and drawn from the same doctors' lists. Two months after the fall, one control and 11 fallers had died. One year after the fall, eight controls and 32 fallers had died. The main factor associated with increased mortality was impaired mobility before the index fall.

PMID 7328380
 
  1. 平衡障害と狭義のめまいの最も大きな違いは、平衡障害の場合は、自己あるいは周囲の運動感がないのに対し、狭義のめまいの場合には、この運動感があることである。
  1. 平衡障害なのか、狭義のめまいなのかを病歴の問診から明らかにする必要がある。
  1. 平衡障害を引き起こす病巣、原因疾患は、多岐にわたる。病巣としては、中枢神経系(小脳、大脳白質など)、末梢前庭系、固有感覚系、また、運動器系が考えられ、それぞれの場合に、さまざまな疾患が考えられる。身体疾患ではなく、心理的な障害に基づく平衡障害も鑑別が必要となる。
 
  1. 高齢者の場合、常用している薬物が平衡障害に関与している可能性について念頭に置くべきである(推奨度1)
  1. 1:高齢者のめまい・平衡障害の原因となる薬物は、①中枢神経系作用による薬物②脳、内耳循環不全による薬物③内耳障害による薬物④その他に分類される[4]<図表>
  1. 2:高齢者の場合、常用している薬物が平衡障害に関与している可能性について念頭に置くべきである。
 
めまいの原因となる薬剤

さまざまな薬物がめまい、平衡障害を引き起こす可能性がある。

出典

工田昌也:薬剤による高齢者のふらつき.ENTONI 2011;125:22-27.
 
  1. 抗てんかん薬のカルバマゼピンやフェニトインは中枢性平衡障害を来し得る代表的な薬物である(推奨度1)
  1. 病歴:63歳女性。元来右耳のメニエール病があった症例。10年前から抗てんかん薬を服用していたが、4年前からてんかんのコントロールのためカルバマゼピンを追加された。最終的にはバルプロ酸ナトリウム1200mg/日とカルバマゼピン1200mg/日を内服していた。最近平衡障害が増悪し、紹介受診[5]
  1. 所見:体平衡障害のほかに、側方時の下眼瞼向き眼振(<図表>)を認め、また、追跡眼球運動はsaccadicであり、視運動性眼振の解発は不良であった。中枢性平衡障害であり、カルバマゼピンによる可能性が考えられ、薬剤量の調整によって平衡障害は軽快した。<図表>
  1. コメント:下眼瞼向き注視眼振や側方注視眼振、追跡眼球運動障害、視運動性眼振の障害に平衡障害を伴い、中枢性平衡障害が疑われる症例では抗てんかん薬の服用の有無について必ず確認する必要がある。下眼瞼向眼振については、[6]を参照されたい。
 
症例の初診時の注視眼振所見

側方視ならびに下方視で下眼瞼向き注視眼振を認めた。

出典

牛尾宗貴, 岩崎真一, 室伏利久:平衡障害と側方注視で下眼瞼向き眼振を呈した1症例.Equilbrium Res 2005;64:135-142.
 
経過中の薬物投与量と症状、検査所見の関係

カルバマゼピンの減量によって平衡障害は軽快した

出典

牛尾宗貴, 岩崎真一, 室伏利久:平衡障害と側方注視で下眼瞼向き眼振を呈した1症例.Equilbrium Res 2005;64:135-142.
 
  1. 検査に基づいて原因検索を進める。
問診・診察のポイント  
 
  1. めまい・ふらつきは、①狭義のめまい(回転性めまい)、②失神性めまい、③平衡障害、④ ①~③以外のはっきりしないめまい感――に大別できる[7]。まず、病歴の問診によって、その患者の訴えるめまい・ふらつき(あるいは広義のめまい)がそのどれに該当するのかを明らかにすることが重要である。
  1. 病歴の聴取に際しては、平衡障害は、暗い所のみで生じるのか、明るい所でも生じるのか、既往歴として、糖尿病、高血圧症、脂質異常症がないか、また、結核の既往およびその治療の際にストレプトマイシンなどの内耳毒性のある薬物を使用したことがないか、平衡障害を来す疾患の家族歴がないかについて確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
室伏利久 : 未申告[2024年]
監修:永山正雄 : 特に申告事項無し[2024年]

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