心因性難聴 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
野口佳裕 国際医療福祉大学 医学部 耳鼻咽喉科学

概要

疾患のポイント:
  1. 心因性難聴とは、①器質的疾患がないか、あるいはあっても本症状の原因ではない②難聴の症状はないことも、あることもある③純音聴力検査では聴力レベルが必ず異常値を示す④発症の背景に心理的要因があるもの――と定義される疾患である。
  1. 聴覚経路に器質的障害が認められない難聴を機能性難聴といい、心因性難聴と詐聴に分類される。
  1. 心因性難聴は小児に多く、男女比は約1:2、好発年齢は8~10歳である。
  1. 心因性難聴は心因性疾患の1つであり、DSM-IV-TR(米国精神医学会、2002)では「300.11転換性障害:感覚性の症状または欠陥を伴うもの」または「300.81身体化障害の偽神経学的症状」に分類される。
 
診断: >詳細情報 
  1. 心因性難聴は、純音聴力検査では難聴を示すが問診では言葉を良好に聴取できることで疑う。
  1. ABR閾値測定、耳音響放射(DPOAE)、自記オージオメトリーが診断に有用である。
  1. 感音難聴、混合難聴、伝音難聴を来し得る。最も多いのが感音難聴で約80%を占める。両側性難聴:一側性難聴=5:1と両側性が多い。
 
治療: >詳細情報 
  1. 患者との信頼関係のうえ、原因となる心理的要因を探索し、問題を解決することが治療に重要である。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 通常、全症例を耳鼻咽喉科専門医に紹介する。
  1. 難治例では、心療内科、精神神経科医、小児精神神経科を専門とする小児科への紹介を考慮する。
 
臨床のポイント:
  1. 小児に多く、男女比は1:2、好発年齢は8~10歳である。
  1. 難治例は耳鼻咽喉科のほか精神科や心療内科への紹介も考慮する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

難聴の初診時評価例
  1. 難聴や随伴症状についての病歴聴取、耳鏡検査、純音聴力検査を行う。
○ 下記検査は全例に行うことが望ましい。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

心因性難聴例のオージオグラム
ABR閾値検査
自記オージオグラム
Jerger分類V型
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01