深頸部膿瘍・咽後膿瘍 :トップ    
監修: 森山寛 東京慈恵会医科大学附属病院
波多野篤 東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科

概要

疾患のポイント:
  1. 深頸部膿瘍とは、深頸部感染症の一形態であり、頸部に存在する疎な結合織からなる間隙(<図表><図表>)に感染が波及し膿瘍を形成したものであり、そのうち咽頭後間隙に膿瘍を形成したものが咽後膿瘍( 症例 )である。
  1. 頸部には筋膜で囲まれた間隙が多数存在し、当初は間隙内に存在するリンパ節の感染症であるリンパ節炎(<図表>)で発症するが、進行すると疎性結合織の感染症である蜂巣炎(<図表>)となり、さら進展すると膿瘍(<図表>)を形成する。これらを総称して深頸部感染症と称する。
  1. 原発疾患として外傷、異物のほかにう歯を含む口腔咽頭や唾液腺の感染性疾患が挙げられる。
  1. 起炎菌としてはStreptococcus属やStaphylococcus属などの好気性菌とPeptococcus属などの嫌気性菌が認められる。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 咽頭痛、発熱といった一般的な炎症症状に加えて、呼吸困難、嚥下困難、開口障害が出現し、さらに頸部の発赤、腫脹、疼痛、ときに握雪音が出現する場合には単なる上気道炎ではなく頸部下方の各間隙に感染波及した重症感染症を疑い、頸部造影CT、頸部超音波検査を用いて診断を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

深頸部膿瘍の診断および治療時のポイント
  1. 原因疾患(歯牙口腔咽頭)の段階での確実な治療:発生防止 解説  扁桃周囲膿瘍 
  1. 重篤な感染症では深頸部膿瘍を念頭に置いた診療
  1. 疑わしい例では早急に頸部造影CTにて診断
  1. バイタルサインのチェック
  1. 気道閉塞機転の有無の確認と気道確保 急性喉頭蓋炎 、 喉頭浮腫 、 喉頭蓋炎 
  1. リスクファクターを伴う患者に注意
  1. 糖尿病、ステロイド投与、高齢者
  1. 頸部下方への進展例(頸部までで対応、縦隔病変防止)
  1. 高次医療機関への連絡と転送
  1. 耳鼻咽喉科以外の医療機関への啓蒙
○ 病態に応じて適宜選択する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)

深頸部感染症診断および治療のフローチャート
頸部筋膜解剖、頸部軸位断面
頸部間隙
深頸部感染症(1. 頸部リンパ節炎)
抗菌薬の抗菌活性に影響するパラメーター
深頸部膿瘍切開法
原発部位と頸部各間隙の交通および炎症波及経路
深頸部感染症(2.頸部蜂巣炎)
深頸部感染症(3. 深頸部膿瘍)
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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