口腔の腫瘤・良性腫瘍 :トップ    
監修: 近津大地 東京医科大学
新谷悟 東京銀座シンタニ歯科口腔外科クリニック

概要

ポイント:
  1. 顎口腔領域に発生する良性腫瘍には歯原性、非歯原性のものがある。
  1. 顎口腔領域腫瘍性病変の一覧: 鑑別疾患 
  1. 歯原性良性腫瘍とは歯の発生過程における各組織(歯胚)に由来するもの(エナメル上皮腫、角化嚢胞性歯原性腫瘍、歯牙腫)をいう。一方、非歯原性良性腫瘍とは顎口腔領域以外の身体他部にも発生するもの(乳頭腫、線維腫、骨腫)をいう。また、腫瘍類似疾患とは病理学的に真性腫瘍でなく腫瘍類似増殖を示す病変(エプーリス、義歯性線維腫)をいう。
  1. 日本の過去20年間の症例の評価の結果、 歯原性腫瘍に関しては、1:良性と悪性は約100対1で良性腫瘍が圧倒的に多いこと、2:良性腫瘍が20歳代以下の若年者に多く悪性腫瘍では50歳以上の高齢者に見られること、3:発生部位は良性・悪性ともに下顎に多いこと、がわかっている。
 
歯原性良性腫瘍:
  1. 上述のように歯原性良性腫瘍には、以下のような腫瘍が含まれる。日本の過去20年間の症例の評価の結果それぞれの発生頻度も報告されており、とりわけ、エナメル上皮腫、角化囊胞性歯原性腫瘍、歯牙腫の頻度が高いことがわかっている。
  1. エナメル上皮腫 29%
  1. 角化囊胞性歯原性腫瘍 24%
  1. 歯牙腫 21%
  1. 骨性異形成症 6%
  1. 骨形成線維腫 5%
  1. その他 15%
 
エナメル上皮腫: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. エナメル上皮腫とは、歯の発生過程における組織である歯胚の中のエナメル器と呼ばれる部分がその分化の過程で異常増殖を起こしてできる歯原性良性腫瘍である。歯原性腫瘍のなかで、最も頻度の高い腫瘍で、一般的に20~40歳代の若壮年者の下顎例が多い。
  1. 初期には無症状だが、増大すると顎骨の膨隆を来す。ただし、腫瘍の発育が緩慢で経過が長いため、初期には無症状で自覚症状に乏しい。
  1. 診断:
  1. 診断はX線、CTなどの画像診断と、生検により確定される。X線所見で顎骨に境界明瞭な多房性、蜂巣型を示す透過像がみられる。
  1. エナメル上皮腫のX線画像:<図表>

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(詳細はこちらを参照)

下顎エナメル上皮腫のパノラマX線写真
歯牙腫
乳頭腫
線維腫
骨腫
エプーリス
義歯性線維腫
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01