高マグネシウム血症 :トップ    
監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科
熊谷天哲1) 花房規男2) 1)帝京大学医学部附属病院 地域医療支援... 2)東京女子医科大学 血液浄化療法科

概要

疾患のポイント:
  1. 血中マグネシウム濃度の正常値は1.8~2.4mg/dLである。高マグネシウム血症は、腎機能障害あるいはマグネシウムの投与がない場合にはまれである。
  1. 早期にみられる症状は、筋力低下と深部腱反射の低下、悪心・嘔吐などの消化器症状である。特にアキレス腱反射はよい指標となり、血中Mg濃度が5 mg/dLを超えるとやや低下し、8~10 mg/dLを超えるとほとんど消失する。
  1. 血中Mg濃度が10 mg/dLを超えると、傾眠傾向、四肢および呼吸筋の麻痺、麻痺性イレウスが出現することがある。
  1. 心血管系では、低血圧、徐脈、末梢血管の拡張による手足の熱感などがある。心電図では、PR間隔の延長、QRS幅の拡大、QT間隔の延長、P波の消失などを認め、血中Mg濃度が10 mg/dLを超えると、完全房室ブロックや心停止を生じる可能性がある。
  1. 高マグネシウム血症の症状:<図表>
 
検査適応: >詳細情報 
  1. StageG4以上(推算GFR 30 mL/min/1.73m2未満)のCKD(慢性腎臓病)およびマグネシウム製剤(特に静注製剤)を使用している患者、Addison病、甲状腺機能低下症、食塩欠乏、リチウム服用、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症(familial hypocalciuric hypercalcemia、FHH)などの特殊な病態でも測定を考慮する。
 
パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 緊急処置が必要になるのは、呼吸筋麻痺による呼吸不全や房室ブロックになっている場合である。
  1. 房室ブロックに対しては、心筋保護のため8.5 %カルチコール10~20 mLを5分以上かけて静注し、一時的ペースメーカーを考慮する。呼吸不全に対しては、人工呼吸管理とする。
  1. 根本的な治療として血液透析の施行を考慮する。血液透析を施行すると、血中Mg濃度を数時間以内に安全なレベルまで下げることができる。
  1. 軽度の高Mg血症では、Mg含有製剤を中止して慎重に様子をみる。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価例
  1. 腎機能障害のある患者やマグネシウム製剤を使用している患者では、以下を評価する。
○ Mg値を測定するとともに2)~10)の腎機能、関連する電解質を測定する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高マグネシウム血症の鑑別のアルゴリズム
食品中のMg含有量
高マグネシウム血症の症状
マグネシウム代謝
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05

編集履歴:
2017年5月18日
出典元に誤りがあったため、「食品中のMg含有量」の図表を削除いたしました。
 
2017年5月22日
「食品中のMg含有量」の図表を、文部科学省を出典としたものを掲載いたしました。


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