頚部神経根症 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
田中靖久 公立学校共済組合東北中央病院

概要

疾患のポイント:
  1. 頚部神経根症とは、頚椎の変性の結果、神経根が圧迫されて生ずる症候群と定義される。
  1. 代表的な圧迫因子に、椎間板ヘルニア、Luschka 関節あるいは椎間関節の骨棘がある。<図表>
  1. 年代別では40~60歳代での発生が多く、発生頻度は83.2人/10万人/年であったとの報告がある。
  1. 罹患高位はC7神経根が最も多く、次いでC6、C8、C5の順である。
  1. 神経根の圧迫因子:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 頚部神経根症のほとんどが問診の段階で診断できる。手指のしびれを主訴とする患者で、頚部痛(項部、肩甲上部、肩甲骨上角部、肩甲間部そして肩甲骨部のいずれかの痛み)がしびれより先にあるいは同時に生じていれば、ほぼ本症と診断できる。(問診・診察: >詳細情報 )
  1. 手指のしびれが、うがい、缶ジュース飲み、目薬さし、美容院での洗髪、歯科治療、といった頚椎の後屈で誘発、増強されるものであれば、頚椎由来と診断してよく、神経根症である頻度が高い。
  1. Spurlingらの頚部圧迫テスト※が高率に陽性である。頚椎を患側に側屈させ、同時に後屈させて頭部に下方への圧迫を加えると、頚部から肩、上肢そして手に放散する疼痛が再現される。
  1. 筋力低下、腱反射低下、そして知覚障害が高率にみられる。異常所見は、単一神経根の支配域に一致してみられるのが普通である。<図表>
  1. 頚部痛の部位:<図表>
  1. ※Spurlingらの頚部圧迫テスト<図表>:頚椎を患側に側屈させて頭部に下方への圧迫を加えると、頚部から肩、上肢そして手に放散する疼痛が再現される。

重症度、予後:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

保存治療例
  1. 多くは保存的治療で良好な改善が得られるため、まず保存療法を行う。 >詳細情報 アルゴリズム
  1. 軽症例では消炎鎮痛剤の投与、重症例では、頚部の安静を目的に入院させ Glisson牽引を行い、神経根のブロックを併用する場合がある。それらの中間の例では、頚椎カラーによる固定が有用である。(重症度判定基準:<図表>)
  1. 一部の筋力・機能低下を来した病態を除き、保存療法は4カ月行う。4カ月の保存的治療で改善が少なければ手術を検討する。 >詳細情報 
○ 軽症では1)を、重症では、1)~3)を、その中間例では1)、4)を併用する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

治療のアルゴリズム
神経根の圧迫因子
頚部痛の部位
頚椎前方除圧固定術
頚椎後方椎間孔拡大術
頚部神経根症治療成績判定基準
頚部神経根症における障害神経根の診断指標
Spurling test
著者校正/監修レビュー済
2016/04/01