Baker嚢腫 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
安達伸生 広島大学大学院 整形外科

概要

疾患のポイント:
  1. Baker嚢腫とは膝関節疾患により膝窩部の滑液包に関節液が流入し、嚢腫を形成したものである。
  1. 原因となる膝関節疾患には変形性関節症、半月板損傷、関節リウマチ、結核などの化膿性関節炎などがある。
  1. 好発部位は大腿骨内側顆後方で、腓腹筋内側頭と半膜様筋の間であり、腓腹筋半膜様筋滑液包である。
  1. 関節腔との交通が40~60%に認められるとされる。
  1. 患者は、「膝の裏が脹れた」「膝の裏が痛い」「膝を曲げると痛い」「膝を曲げると違和感がある」などと訴えて受診する。
  1. 症状を示さず、触診やMRIにてみつかる場合も多い。
 
診断:アルゴリズム  >詳細情報 
  1. 患者を腹臥位にして触診し、膝窩部に軟部腫瘤を触知することで診断となる。
  1. MRIではT1強調像にて低信号、T2強調像にて高信号、辺縁の明瞭な腫瘤様陰影として描出される。
  1. 最近では超音波検査も頻用される。
  1. 疼痛や可動域制限を呈する症例では、まず穿刺を試みる。
  1. 原疾患が変形性関節症の場合には黄色透明な穿刺液が排出される。
  1. Baker嚢腫の好発部位:<図表>
  1. Baker嚢腫のMRI:<図表>
  1. Baker嚢腫の超音波検査:<図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 嚢腫が増大すると膝関節屈曲位での疼痛や可動域制限が生じる。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. ほとんどすべての患者でX線撮影を行い、変形性関節症など原疾患の有無を判断する。
○ 1)は変形性関節症の除外診断のために必須。嚢腫を疑えば2)、3)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

診断、治療の流れ
Baker嚢腫の好発部位
Baker嚢腫のMRI
Baker嚢腫のMRI
Baker嚢腫の超音波検査
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10

編集履歴:
2018年3月13日 誤植修正
修正箇所:患者向け説明資料
原因となる変形性股関節症や半月損傷
原因となる変形性膝関節症や半月損傷