今日の臨床サポート

Baker嚢腫

著者: 安達伸生 広島大学大学院 整形外科

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2022/05/25
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. Baker嚢腫の好発部位は大腿骨内側顆後方で、腓腹筋内側頭と半膜様筋の間である。
  1. 治療の第一選択は保存的治療であり、超音波ガイド下に穿刺をしてステロイド剤を注入する(S)。
  1. 手術的治療としては嚢腫切除が一般的であったが、最近では関節鏡を用いた嚢腫と膝関節の交通部開大も行われている(S)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
安達伸生 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:酒井昭典 : 特に申告事項無し[2022年]

改訂のポイント:
  1. 最新のシステマティックレビューに基づく追記箇所については下記を参考文献としてマークした。
  1. Van Nest DS, et al. Popliteal cysts: A systematic review of nonoperative and operative treatment. JBJS Rev 2020 8(3):e0139
  1. 本コンテンツは下記を参考文献として作成された。
  1. 占部憲, 糸満盛憲: Baker嚢腫. 最新整形外科学体系 膝関節・大腿. 中山書店, 2006;278‐282.
  1. 三浦裕正: Baker嚢腫. 今日の整形外科治療指針 第6版. 医学書院,2010; 779‐780.

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. Baker嚢腫は膝関節疾患により膝窩部の滑液包に関節液が流入し、嚢腫を形成したものである。
  1. 原因となる膝関節疾患には変形性関節症、半月板損傷、関節リウマチ、結核などの化膿性関節炎などがある。
  1. 好発部位は大腿骨内側顆後方で、腓腹筋内側頭と半膜様筋の間であり、腓腹筋半膜様筋滑液包である。
  1. 関節腔との交通が40~60%に認められるとされる。
  1. 関節炎を有する成人に発生することが多いが、小児に認められることもある。
  1. 症状を示さず、触診やMRIにて見つかる場合も多い。初期には膝窩部の緊満感や鈍痛を訴える。腫瘤が大きくなると膝関節可動域制限や屈曲位での疼痛を示す。
 
Baker嚢腫の好発部位

腓腹筋半膜様筋滑液包に関節液が貯留する。

出典

img1:  著者提供
 
 
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期を確認する。

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文献 

Duncan S Van Nest, Fotios P Tjoumakaris, Bradley J Smith, Tricia M Beatty, Kevin B Freedman
Popliteal Cysts: A Systematic Review of Nonoperative and Operative Treatment.
JBJS Rev. 2020 Mar;8(3):e0139. doi: 10.2106/JBJS.RVW.19.00139.
Abstract/Text BACKGROUND: Treatment methods for popliteal cysts have varied over the past several decades and have posed challenges to providers as recurrences were frequent. With greater understanding of relevant anatomy, both operative and nonoperative treatment methods have evolved to appropriately target relevant pathology and improve outcomes. The purposes of this review were to outline the evolution of treatment methods and to qualitatively summarize clinical outcomes.
METHODS: We performed a systematic review on treatments for popliteal cysts to include publications from 1970 to 2019. Other inclusion criteria consisted of studies with ≥10 patients enrolled, studies with a patient age of ≥16 years, studies with an adequate description of the treatment technique, and studies with a Level of Evidence of IV or higher. The review was conducted according to the Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses (PRISMA) guidelines, and literature quality was assessed using a modified Coleman methodology score.
RESULTS: Thirty studies met inclusion criteria in this review. Nine studies discussed nonoperative treatment, and 21 studies discussed operative treatment. Eight of the 9 nonoperative treatment studies utilized corticosteroid injections. The most recent studies have advocated for ultrasound-guided intracystic injection with possible cyst fenestration. Most operative studies utilized an arthroscopic approach to enlarge the communication with the joint space. However, alternative treatment techniques are still utilized.
CONCLUSIONS: The current literature on the treatment of popliteal cysts indicates that intracystic corticosteroid injection with cyst fenestration is an effective nonoperative treatment method. Arthroscopic surgical procedures with enlargement of the communication have been most widely studied, with positive results; however, further studies are needed to confirm superiority over other treatment methods.
LEVEL OF EVIDENCE: Therapeutic Level IV. See Instructions for Authors for a complete description of levels of evidence.

PMID 32149934

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