三尖弁狭窄症

著者: 宇野漢成 東京大学 22世紀医療センター コンピューター画像診断学/予防医学講座

監修: 永井良三 自治医科大学

著者校正/監修レビュー済:2016/07/21

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 三尖弁狭窄症(tricuspid stenosis、TS)とは、右心房と右心室の間にある三尖弁の弁口が狭くなった状態であり、右房圧上昇による右心不全と、心拍出量低下が病態である。単発で発症することはまれであり、原因のほとんどはリウマチ熱である。
  1. TSは、必ず 僧帽弁狭窄症 と 三尖弁閉鎖不全症 を合併する。大動脈弁疾患を合併することもある。
 
診断: >詳細情報 
  1. TSの診断は、心エコーによってなされる。三尖弁の肥厚、石灰化、開放制限、およびdoming形成があり、カラードプラーエコーで右房から右室へ流入する速い血流があれば、TSを疑う。<動画><動画><図表>
  1. 心エコーで三尖弁口の右室流入血流波形を連続波ドプラーで記録し、拡張期に右房—右室の平均圧較差≧2mmHgで、三尖弁の弁尖にdoming形成を認めればTSと診断する(TSは最大流入血流速度>1m/秒)。<動画><動画><図表>
  1. TSの診断は、心エコーでなされる。その際、圧較差だけでなく、三尖弁の形態も観察する必要がある。弁尖の肥厚とdoming形成がなければ、真のTSではなく、TRや他の原因による右房圧上昇がもたらした相対的なTSである。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 重症TSと考える指標[1]
  1. TSの平均圧較差≧5mmHg
  1. 右室流入血流のtime-velocity integral(VTI)>60cm
  1. 右室流入血流波形から得られる圧半減時間(pressure-half time、PHT)≧190ms
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の心エコーによる心機能評価例
  1. 心機能評価は心不全をみる際、最も基本的な検査である。カテーテルで圧を測っても、その圧を作り出している心臓の状況がわかっていないと、最善の治療ができない。
  1. 心エコーで十分に評価できないときは、カテーテル検査を選択する。
○ 重症度、臓器障害の評価のため、下記の検査を考慮する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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