自己炎症性疾患(含む家族性地中海熱、CAPS、Blau症候群、TRAPS 、高IgD症候群など)

著者: 西小森 隆太 久留米大学医学部 小児科

監修: 山本一彦 東京大学大学院医学系研究科

著者校正/監修レビュー済:2017/04/27

概要・推奨  

  1. 自己炎症性疾患診療ガイドライン 2017
の発表に伴い、現在アップデート中
 
疾患のポイント:
  1. 自己炎症性疾患とは、周期性発熱・不明熱を主症状とし、炎症を主病態とする単一遺伝性疾患である。自己炎症性疾患には、家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)、高IgD症候群、Blau症候群などの疾患が含まれるが、多くは自然免疫系の分子、特にパターン認識受容体関連分子の異常で発症する。
  1. 自己炎症性疾患の分類:<図表>
  1. 不明熱以外の症状として、ほかに関節症状、眼症状、難聴、中枢神経症状、皮疹、腹部症状などを伴うことがある。また、疾患によっては、関節拘縮、失明、精神発達遅滞、アミロイドーシスなどの臓器障害を起こすこともある。
  1. わが国の疫学調査より、わが国に10人未満から1,000人程度存在する稀少疾患である。最も多い家族性地中海熱でわが国に約500人、その他は10人未満から100人までの稀少疾患である。
  1. 疾患特異的に著効を示す治療薬が存在する疾患も存在し、また早期診断の遅れが臓器障害につながるため、自己炎症性疾患の診断は重要であり、まず第1に本疾患が存在することを知っておくことが重要である。
  1. 自己炎症性疾患のうち、特に、見逃すと問題となる疾患(CINCA症候群[慢性乳児神経皮膚関節炎症候群]の重症例、メバロン酸キナーゼ欠損症の重症例(高IgD症候群の重症例、メバロン酸尿症)には注意する。
  1. なお、不明熱の評価の詳細については 発熱・不明熱 の項を参考にしてほしい。
 
診断: >詳細情報 
  1. 一部、臨床症状より診断が可能な症例も存在するが、通常臨床症状が類似するため、確定診断は遺伝子検査にて行う。
  1. 周期性発熱症候群を来す自己炎症性疾患の鑑別診断表:<図表>
  1. 遺伝子検査のコンサルトに有用なWEBサイトとして、PIDJ自己炎症性疾患サイトが存在する。
 
各疾患の詳細:
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

自己炎症性疾患の評価例
  1. 自己炎症性疾患では発作時にCRPなどの炎症所見が陽性になる。まず発熱に炎症所見を伴うかどうか確認することが大切である。診断・治療においては自己炎症性疾患の専門医にコンサルトすることが望ましい。なお、プロカルシトニンは、通常自己炎症性疾患では陰性である。
○ 基本的な発熱の評価・炎症所見の評価の目的で1)-11)を行う。自己炎症性疾患では発熱時に1)3)4)が陽性となる。これらの評価で自己炎症性疾患を強く疑う場合は確定診断目的で12)の評価を追加する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


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