Kaposi肉腫

著者: 加藤哲朗 東京慈恵会医科大学附属病院 感染症科

監修: 味澤篤 東京都立北療育医療センター

著者校正/監修レビュー済:2018/11/06

概要・推奨  

疾患のポイント
  1. カポジ肉腫はAIDS患者に発生する代表的な悪性腫瘍である。主に皮膚や粘膜および消化管や肺などの内臓臓器に発生する。
  1. 原因はヒトヘルペスウイルス8(human herpes virus-8: HHV-8)であり、潜伏感染していたHHV-8が免疫力の低下に伴ってカポジ肉腫を発症すると考えられている。
  1. HIV感染者において、CD4陽性リンパ球数が500個/μL未満で発症リスクが増加し、特に200個/μL未満でのリスクが高い。
  1. 疫学的な特徴として、カポジ肉腫患者のほとんどが男性同性間性的接触者(MSM)であることが挙げられる。
 
診断 >詳細情報 
  1. 主に皮膚や口腔粘膜に、典型的には紫紅色~黒褐色を呈する病変としてみられる。慣れた医師であれば診断は容易であるが、早期病変の場合には紫斑や血管腫と間違われることもある。
  1. 原則として掻痒感や疼痛といった自覚症状は認めないが、腫瘍の増大によってリンパ管の閉塞をきたすと浮腫を生じる。
  1. 内臓病変として、消化管病変や肺病変もみられることがある。前者では内視鏡検査にて赤色調の粘膜下隆起性病変としてみられ、進行すると病変から出血を来すこともある。肺病変は胸部レントゲンや胸部CTにおいて、肺門部からリンパ管に沿って広がるような像を呈する。
  1. そのほか、咽頭・喉頭に病変がみられることがあり、この場合には気道閉塞に十分注意すべきである。
  1. 病理学的には炎症細胞浸潤を伴う紡錘形細胞・内皮細胞の増殖がみられ、微小出血およびヘモジデリン沈着を呈する。免疫染色を行うと、HHV-8 LANA1が陽性となる。
 
予後 >詳細情報 
  1. 抗HIV療法(antiretroviral therapy: ART)によって予後は著しく改善した。しかし内臓病変、特に肺カポジ肉腫は生命の危険が高いため注意が必要である。
 
治療 >詳細情報 
  1. 抗HIV療法を行う。病変の種類によっては抗HIV療法のみでも改善する。ただし、免疫再構築症候群として、病変の増大をみることもあるので注意を要する。
  1. 局所療法を行うこともある…
カポジ肉腫(上肢)
 
カポジ肉腫(背部)
 
カポジ肉腫(下肢1)
 
カポジ肉腫(下肢2)
 
カポジ肉腫(口腔内1)
 
カポジ肉腫(口腔内2)
 
カポジ肉腫(胃)
 
カポジ肉腫(十二指腸)
 
カポジ肉腫(肺)の胸部レントゲン画像
 
カポジ肉腫(肺)の胸部CT画像
 
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

カポジ肉腫の診断に必要な検査例

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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