今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 神人正寿 和歌山県立医科大学 皮膚科

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2023/05/10
参考ガイドライン:
  1. 令和2-4年度厚生労働科学研究費難治性疾患政策研究事業「難治性血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究」班:血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022』では、2017年度版の33個のクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、継続するもの、削除するもの、新たに加えるものの検討を行い、38個のCQを採用した。
  1. 「Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2017」に従って最新の知見をもとに改訂作業を行った。
  1. 同ガイドラインに基づきレビューを行った。

概要・推奨   

  1. 増殖期の乳児血管腫に対して治療介入が必要な場合、プロプラノロール投与を行うことが推奨される(推奨度2
  1. 乳児血管腫の残存した毛細血管拡張に対してレーザー治療を行うことが推奨される(推奨度2
  1. 毛細血管奇形に対してはパルス可変式の色素レーザーが第1選択となる推奨度2)。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 脈管異常(vascular anomaly)は、The International Society for the Study of Vascular Anomalies(ISSVA)分類に基づき、その臨床像と組織学的所見、また放射線医学的見地、流体力学的見地から、脈管性腫瘍(vascular tumors)と脈管奇形/脈管形成異常(vascular malformations)に分類され、解釈されるようになった。
  1. 脈管性腫瘍は、血管内皮細胞の増殖を主体とする“腫瘍”で、乳児血管腫(従来のイチゴ状血管腫を指す)や早期退縮型先天性血管腫、房状血管腫、Kaposi肉腫様血管内皮細胞腫などを含むものである。もう片方のグループは脈管奇形/脈管形成異常で内皮細胞の増殖を伴わないdysplastic vesselを本態とする。その形成異常を呈する脈管の種類、および血液・リンパ液の流速により、高流速脈管奇形(fast-flow vascular malformation)と低流速脈管奇形(slow-flow vascular malformation)とに大別され、かつ各々にsimple type、combined type、およびassociated with other anomailies typeといった、性状に基づく区分が加味される。各々の代表的な疾患について、病態、診断の指針と対応を述べる[1][2][3][4][5]

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文献 

倉持 朗:赤あざをみたら.小児の皮膚トラブルFAQ,宮地良樹ほか編,診断と治療社,2008;127-133..
倉持 朗:いちご状血管腫.外来皮膚科ER最前線,宮地良樹編,メディカルレビュー社,2011;268-278,26-30..
倉持 朗:血管腫・脈管形成異常.今日の皮膚疾患治療指針 第4版,宮地良樹ほか編,医学書院,2012;697-703..
倉持 朗:Kasabach-Merritt症候群.今日の皮膚疾患治療指針 第4版,宮地良樹ほか編,医学書院,2012;703-706..
倉持 朗:戻状血管腫.今日の皮膚疾患治療指針 第4版,宮地良樹ほか編,医学書院;2012;706-709..
戸田さゆり・秀 道広:乳児血管腫に対するプロプラノロール療法.臨床皮膚科 2014:68(5増刊号):111-116.
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
神人正寿 : 報酬額(マルホ(株)),原稿料(マルホ(株)),企業などが提供する寄付講座((株)JMEC)[2024年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(サノフィ(株),日本イーライリリー(株),アッヴィ合同会社,協和キリン(株))[2024年]

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